2017 Fiscal Year Annual Research Report
Population and Family in Early Modern Japan
Project/Area Number |
26380697
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 あおい 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (50246005)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歴史人口学 / 家族史 / 宗門改張 / 直系家族 / 世帯構造 / 家族周期 / ハメル・ラスレット分類 / 家 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北2地域(会津山間部4か村・二本松平野部3か村)と中央日本2地域(美濃平野部6か村・信州山間部2か村)の宗門改帳を史料に用いて、徳川後期農民社会の家システムを解明することが本研究の目的である。本研究期間の作業は主にデータベース作成のためのデータ入力にあてられている。本年度は、昨年度に引き続き信濃国諏訪郡横内村のデータ入力を行う方針で作業を行っていたが、作業順位の見直しが迫られる事態の発生により、本研究対象地域のデータ入力は一時中断せざるを得なかった。 2018年5月千葉大学名誉教授佐々木陽一郎先生が急逝され、先生のご遺志により飛騨高山の約100年間に及ぶ宗門改帳から氏が作成された基礎シート(BDS)が慶應義塾大学岡田研究室に移された。この基礎シートは、歴史人口学研究にとって非常に貴重な資料であるのだが、劣化が激しく、早急に整理、保存作業を行う必要に迫られた。本研究の作業を中断し、この資料の保存を最優先にすべきと判断し、本研究の最終年は飛騨高山の基礎シートの整理、および保存作業をおこなうことにした。具体的な作業は、基礎シートのコピーを作成し、整理することであったが、整理中にこの資料には欠落しているシートがあること、また、基礎シートの内容にも不備があることを発見した。そこで、このシートのもととなるマイクロフィルムとの突合せが必要になり、麗澤大学歴史人口学・家族史アーカイブに保存されているマイクロフィルムをお借りし、デジタル化した。マイクロフィルムのデジタル化には、高額な費用が必要となるが、このマイクロフィルムも1960年代に撮影されたもので劣化の恐れがあり、デジタル化に踏み切った。本年度はこのデジタル化されたマイクロフィルムを用いて基礎シートの確認作業を行った(継続中)。本年度の予算のほとんどがマイクロフィルムのデジタル化に費やされたのはこのような理由による。
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