2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Methodology and Prosess of the Social Inclusion and Empowerment of Immigrant Women
Project/Area Number |
26380763
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
仁科 伸子 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (30707683)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移民 / エンパワメント / 英語力 / コミュニティ・オーガニゼーション / 多変量解析 / シカゴ / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、シカゴ市北部のローガンスクエア地域において、コミュニティ・オーガニゼーションが移民の統合と子どもの教育の向上のために始めたペアレント・メンター・プログラムが参加者に与えた影響について研究を行った。ローガンスクエア・ネイバーフッド・アソシエーションは、移民女性を中心としたグループに小学校での学習支援の有償ボランティアを組織化して実施した。これによって、学校での教育への協力関係のみならず、このプロジェクトに参加した親自身のエンパワメントが見られた。ヒアリング調査及び、アンケート調査によって得た結果をSPSSを使って多変量解析した。この結果、参加者がこのプロジェクトから受けた影響の中では、経済的エンパワメント、社会的エンパワメント、アクセシビリティ・エンパワメント、社会関係性エンパワメントが見られた。 経済的エンパワメントは、移民の自立にとって重要であるが、この因子には特に本人の英語力の影響を大きく受けており、中でも流暢な英語を話す層が就業や経済的なエンパワメントを獲得することと有意な関係が認められた。他方、挨拶をする、悩みを相談する等の社会的関係性に関しては、英語能力との有意な関連性は低く、移民同士のスペイン語が通じる範囲内での社会生活が営まれており、所属している社会集団の外に出て行く必要性が低いが、経済活動に参加するためには、英語力が必要となり、アメリカ社会との統合には、英語能力の必要性が高いことが明らかになった。 今後更に、詳細な分析を進め、2本の論文として取りまとめる準備を進めている。
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Research Products
(7 results)