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2016 Fiscal Year Research-status Report

発達障害様の記憶障害を呈す成人への認知実験的アプローチの方法論の構築

Research Project

Project/Area Number 26380908
Research InstitutionTokyo Ariake University of Medical and Health Sciences

Principal Investigator

山下 雅子  東京有明医療大学, 看護学部, 准教授 (20563513)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 羽生 和紀  日本大学, 文理学部, 教授 (00307787)
丹藤 克也  愛知淑徳大学, 心理学部, 准教授 (30455612)
五十嵐 一枝  白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (00338568)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords認知障害傾向 / 発達障害 / 神経発達障害 / 抑制 / 成人 / 認知課題 / 認知心理学
Outline of Annual Research Achievements

本研究は発達障害様の認知・記憶障害を訴える成人について、現場の心理臨床家が想定している特徴と、実験心理学的研究から導かれる特徴の整合性を検討することによって、その個人差が発達障害に繋がるような情報処理的メカニズムの解明を目的としている。
具体的には、前補助金による研究成果から得られた知見を基にして、当該個人の行動傾向データと、合目的的でない想起等のコントロール不全の状態について認知・記憶心理学実験の結果を分析し、状態像の特徴を認知情報処理の特徴から説明することを試みている。
平成28年度は、健常な壮・中年の成人を対象とする前段階として、健常な青年後期を対象としたアナログ研究で短期記憶容量(作動記憶容量)と検索誘導性忘却の生起との関係について、大学生・大学院生を対象に実験を行った。その結果、健常な大学生・大学院生を対象とした場合は、短期記憶容量と検索誘導性忘却との間に有意な相関は見られなかった。この結果は、前補助金による研究で、短期記憶容量が少ない被験者群に検索誘導性忘却が確認されなかったこととはやや整合しないものであった。
考えられる理由としては、平成28年度の被験者はすべて健常の範囲内と考えられる者であったため、数値の散らばりが比較的小さく、そのため相関が現れなかったことも考えられる。このことから、今回の実験計画においてはアナログ研究よりも群分けで行った方が妥当性が高いことが推察される結果であった。この成果は、日本認知心理学会第14回大会において「検索誘導性忘却と不注意傾向および短期記憶容量との関連性」として、また、International Conference on Memory (ICOM5) において“Retrieval-induce-forgetting on adults with inattention.”として発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、同じ実験材料(実験刺激)を用いて、健常者から発達障害者までを広く対象として実験を行う必要がある。そのため実験刺激や実験手続きは複数回整備する必要がある。まずは健常者で、はっきりとした結果が出る実験刺激や手続きを要すると考えられる。しかし、今回対象とした健常範囲の大学生・大学院生では、その中の数人において記銘材料のコントロール値としての記銘量が予想よりも少なく、その結果、彼らにおいて人為的に惹き起こされる忘却量が算出不可能になるなどのことが生じた。このことは今回被験者となった大学生らの特徴なのか、社会人でも起こりうるのかということについては今後の検討が必要であり、引き続き実験が必要であると考えられた。また、もしも何らかの理由で社会人においても人為的に忘却が惹き起こされない場合に備えて、新たに実験を付け足すことが可能かどうかも検討する必要が生じたため。

Strategy for Future Research Activity

健常者、特に学生を対象としたアナログ研究ではなく、社会人を対象に予備実験を行い、実験刺激と手続きの妥当性を確認する必要がある。その後、アナログ研究ではなく、健常群と発達障害群に分けての検討を行う。その際、いくつかの実験が付け足せないかについても時間的に検討する。
また、発達障害を持つ被験者については我々の先行研究と同様にWeb上で募集する予定であったが、最近では発達障害の診断書が比較的発行されやすくなってきたことを考慮する必要が出てきた。発達障害ではない被験者の混入を積極的に避けるために、精神科医の協力を得られないかどうかも検討の余地がある。

Causes of Carryover

研究者の体調不良が主な原因である。その他、予備実験の回数が当初見込んでいたよりも多い回数が必要となったことも加わり、平成28年度に予定されていた被験者募集の業者委託が数か月単位で後ろ倒しになったこと。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年に予定されていた、業者への被験者募集の委託にもっとも多くの支出が行われる予定である。

Remarks

発表者 丹藤克也, 発表年月日 平成29年3月12日, 題目 「エフォートフル・コントロールと不注意および多動・衝動的行動傾向の関係性:成人ADHDのアナログ研究の試み」
(於:第17回「発達の臨床と理論」研究懇話会「発達障害の基礎研究と臨床研究のこれから」)

Research Products

(2 results)

All 2016

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Retrieval-induce-forgetting in adults with inattention2016

    • Author(s)
      Masako Yamashita, Katsuya Tandoh, Kazunori Hanyu, Kazue Igarashi
    • Organizer
      International Conference on Memory (ICOM6)
    • Place of Presentation
      Budapest , Hungary
    • Year and Date
      2016-07-21 – 2016-07-21
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 検索誘導性忘却と不注意傾向および短期記憶容量との関連性 Digitspan Task and Retrieval-induce-forgetting in adults with inattention.2016

    • Author(s)
      山下雅子, 丹藤克也,.羽生和紀,,五十嵐一枝
    • Organizer
      日本認知心理学会 第14回大会
    • Place of Presentation
      広島大学東広島キャンパス
    • Year and Date
      2016-06-19 – 2016-06-19

URL: 

Published: 2018-01-16  

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