2018 Fiscal Year Research-status Report
配偶者をがんで亡くした遺族のうつ病予防を目的とした対処強化介入の効果検証
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26380948
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
浅井 真理子 帝京平成大学, 臨床心理学研究科, 准教授 (50581790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 明子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (70452919)
福森 崇貴 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (50453402)
松本 禎久 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (30544522)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん / 遺族 / うつ病 / 対処 / 認知行動療法 / 介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、これまでの新規プログラム開発の進捗状況が遅れていることもあり、研究計画を変更し縦断研究による介入要素の予備的同定を行っている。この縦断研究では、死別後の対処行動の変化と遺族の心理状態の関連を検討することで、悲嘆回復に寄与する対処行動を予備的に同定し、新規プログラムでの介入要素として使用することを目的とした。緩和医療科の外来初診である進行・再発期のがん患者とその介護者を対象に初診時に面接とアンケート調査を実施した後、介護者を対象に死別6か月後と13か月後にアンケートの郵送調査を実施した。その結果、初診患者130名のうち参加者は31組であった。初診患者のうちの適格率は66%、適格者のうちの参加率は36%といずれも低く、終末期から死別後までのがん患者とその介護者のペアを対象とした縦断研究の実施上の課題が明らかになった。
一方この研究では、がんで配偶者を亡くした遺族19名の抑うつ状態(PHQ)、対処行動に関する予備的な結果を得られた。緩和ケア初診時(T1)、死別6か月後(T2)、死別13か月後(T3)で比較すると、抑うつ状態はT1が最も低く、T2が最も高かった。またT2の抑うつと気そらし対処行動の少なさが関連した。以上より、遺族の悲嘆回復のためのプログラムは、死別半年から1年で開始し、気そらしを含めた対処行動の促進が望ましいことが明らかになり、遺族プログラムに有用な知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画を変更し、縦断研究による介入要素の予備的同定を行っているが、適格率は66%、適格者のうちの参加率は36%と低く、データ解析に先立ち、実施課題の考察に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断研究の実施可能性の検討結果を発表する。また新規の遺族プログラムに関しては、うつ病の予防と治療に効果が検証されている行動活性化療法を遺族を対象に予備的に実施する。
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Causes of Carryover |
介入のための人件費を使用しなかったため次年度使用額が生じた。そのため1年間研究期間を延長し、介入を実施する際に使用する予定とする。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] A combination of routine laboratory findings and vital signs can predict survival of advanced cancer patients without physician evaluation: a fractional polynomial model2018
Author(s)
Hamano Jun, Takeuchi Ayano, Yamaguchi Takuhiro, Baba Mika, Imai Kengo, Ikenaga Masayuki, Matsumoto Yoshihisa, Sekine Ryuichi, Yamaguchi Takashi, Hirohashi Takeshi, Tajima Tsukasa, Tatara Ryohei, Watanabe Hiroaki, Otani Hiroyuki, Nagaoka Hiroka, Mori Masanori, Tei Yo, Hiramoto Shuji, Morita Tatsuya
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Journal Title
European Journal of Cancer
Volume: 105
Pages: 50-60
DOI
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