2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effectiveness of cognitive-behavioral therapy in reducing self-stigma
Project/Area Number |
26380971
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
下津 咲絵 京都女子大学, 発達教育学部, 准教授 (90392448)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セルフスティグマ / 認知行動療法 / うつ病 / 認知再構成法 / 認知的スキーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日常臨床場面で用いることができるセルフスティグマ低減手法の開発を目的としていた。研究は2つの研究で構成された。 研究1では,セルフスティグマ低減手法の開発の基礎となる情報を収集することをめざし,うつ病患者に対して面接法を用いてスティグマ認知の質と程度をききとった。また,知覚されたスティグマに対する対処法について面接内で話し合うことが対象者のセルフスティグマに変容を与えるかどうかについて検討をおこなった。その結果,勤務先におけるスティグマ,休職をとることに関わるセルフスティグマが一つの重要なテーマであることが示唆された。 研究2では,精神科クリニックにおいて実施された認知再構成法を中心内容とした集団認知行動療法プログラムに参加したうつ病患者を対象に,集団認知行動療法による認知的スキーマの変容と,抑うつ症状およびセルフスティグマの低減との関連について検討した。その結果,集団認知行動療法による非機能的な認知的スキーマの改善と抑うつ症状の改善および自尊感情の改善が認められた。また,プログラム前後の変化量を指標として共分散構造分析をおこない,各変数の関連性について検討した。その結果,セルフスティグマ減少に対して,非機能的な認知的スキーマのうち達成動機スキーマの改善の影響力が強いことが明らかとなった。また,自尊感情の回復に対しては,抑うつ症状の改善よりもセルフスティグマの減少がより影響力をもつことが確認された。 本研究の結果から以下のことが示された。セルフスティグマの減少をめざす介入においては,認知再構成法のような,非機能的スキーマを変容させることを目的とした認知的な介入技法が有効であることが示唆された。さらに,自尊感情の回復をめざす際には,セルフスティグマの減少が重要な役割を担うことが示された。
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Research Products
(2 results)