2016 Fiscal Year Research-status Report
小学校・学童保育・家庭の連携モデルの構築とスクールカウンセリングの臨床的研究
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26380974
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
針塚 進 中村学園大学, 教育学部, 教授 (50113973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 昌子 中村学園大学, 教育学部, 教授 (40230693)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学童保育 / 小学校 / 家庭 / スクールカウンセラー |
Outline of Annual Research Achievements |
学童保育に勤務する主任支援員、支援員、補助支援員計120校360名の学童保育に質問紙調査を行い、郵送での返信を求めた。回収率は83%(100校/120校、291名)であった。調査は、「対応に難しさを感じる子どもの特徴」、「連携」、「目指す学童保育」について無記名の5件法での回答を求めた。 その結果、「対応に難しさを感じる子どもの特徴」について、因子分析を行ったところ4因子が抽出され、第1因子を「他者への加害行動因子」、第2因子を「自己中心・自己制御困難因子」、第3因子を「学習困難・遊びの自己中心性因子」、第4因子を「不注意因子」と命名した。「連携」については、5因子が抽出され、第1因子を「支援員相互連携」、第2因子を「専門家の支援因子」、第3因子を「連携因子」、第4因子を「第2者への情報提供因子」、第5因子を「支援員の資質向上因子」と命名した。「目指す学童保育」では、2因子が抽出された。第1因子を「遊びや体験因子」、第2因子を「勉強因子」と命名した。 各調査内容について「主任支援員・支援員」と「補助支援員」、「保有免許」、「勤務年数」との関連を分析した結果「、主任支援員・支援員」は連携が十分でないと感じており、児童の安全に責任を問われる「主任支援員・補助支援員」はより支援員同士の連携を求めていることが分かった。保有免許」の種類別で比較したところ、「小学校教諭免許」を持つ支援員は「他児への加害行動」をする子どもにより困難を感じ、免許を持たない支援員は保護者への情報提供をよく行っていると意識している。 「勤務年数」では「家庭、学校、地域との連携因子」において、勤務年数の少ない支援員は「十分な連携が取れていない」と意識していた。とくに、学校と専門家との連携が十分でないことがわかった。 スクールカウンセラーとの連携とスクールカウンセラーへの調査分析は次年度さらに検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小学校ではスクールカウンセラーが十分配置されていない場合も多く、さらに学校との火関りはあるものの学童保育に関わっていないことが多い。そのため、スクールカウンセラーへの調査のサンプルが十分ではなく、研究全体としてやや遅れているため研究期間の 延長を申請したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
一部の市町立小学校では、スクールカウンセラーとは別に学童保育における相談員(臨床心理士等)を配置していることから、これらの相談員を含めた調査、さらに調査対象地域を広げてスクールカウンセラーの調査を実施する。
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Causes of Carryover |
調査の対象の該当者数が十分ではないため研究期間の延長申請をして認められたため、調査対象者の地域等を広げて調査を行う。また、そのための調査旅費、および研究成果発表旅費等の旅費、さらに「物品費」「謝金」「その他」の経費として使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費:550,000円、物品費:150,000円、謝金:70,000、その他:100,000円の計画である。
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Research Products
(2 results)