2014 Fiscal Year Research-status Report
なぜ罰は効果があると錯覚されるのか?関係性学習の観点からの実験的分析
Project/Area Number |
26380993
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
漆原 宏次 北海道医療大学, 心理科学部, 准教授 (00342197)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 罰 / 関係性学習 / 連合学習 / 行動分析 / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習心理学における過去の研究から、悪いことをしたときに叱る、叩くなどいやな目に合わせる形の罰、いわゆる正の罰は、行動の修正にはそれほど効果はないことが明らかになっている。しかし、教育、しつけなどの場面では、未だに正の罰が日常的に用いられている。本研究は、罰が行動の変化に与える影響を過大視するこの傾向について、その原因と対処法を、関係性学習の観点から、行動実験と質問紙調査により明らかにすることを目的としている。 26年度は、実験研究で使用するための実験課題と、調査で用いるための質問紙の作成を行うことを計画していた。実験課題の作成には、課題で用いるための刺激と、それを提示し反応を記録するためのプログラムが必要であるが、刺激の作成はほぼ完了しており、プログラムも概ね完成しているため、27年度前半のうちに予備実験を開始する見込みとなっている。質問紙については、質問項目の候補を集め終わり、それらの中での取捨選択を行っている段階間もなく終わる予定で、間もなく予備質問紙調査を行うことができる見込みである。これらの実験事態、質問紙が完成すれば、罰の効果に関する過大視の全容とメカニズムを解明するための研究を多岐にわたり行うことができると期待される。 また、本研究は、罰の効果の錯覚に関する検討を、関係性学習の観点から行うものであるため、関係性学習に関する基礎研究の知見を蓄積することも重要である。26年度は、実験事態・質問紙作成に関する上述した進展に加え、関係性学習における超学習という現象に関する研究の成果を、国際学会で一件、国内学会で一件発表した。この超学習現象に関する知見は、罰に関する県警性学習の研究が進展した際に、そのメカニズムを明らかにするために有用となると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度の計画にあった、実験事態の作成と質問紙の作成は概ね順調に進んでおり、計画通り、本年度より予備実験・予備調査を経て、本実験・本調査に着手できると見込まれている。また、本研究計画の理論的基礎となる、関係性学習に関する理論的・実験的検討に関する基礎研究も変わりなく順調であり、今後も安定した進展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度以降の研究については、まず、実験事態の完成とそれを用いた基礎的知見の確認、質問紙の完成とその信頼性・妥当性の確認が第一となる。具体的には、実験プログラムと手続きを完成させ、それらを用いて実際の被験者を取り、その実験事態の中で罰の効果の過大視が見られるのかを確認すること、及び完成させた質問紙を配布し、他の質問紙との比較や分析によって信頼性・妥当性を確認することが、当面の目標となる。実験データや質問紙調査の結果によって、プログラムや質問紙に若干の修正が必要となる可能性はあるが、その場合は適切な修正を行い、再実験・再調査を繰り返す予定である。
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Causes of Carryover |
26年度に予定していたコピートナーや感光体などの消耗品、及びソフトウェアの発注が、研究者の多忙により26年度中に間に合わず、来年度に先送りになったことが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度に予定されていた消耗品の交換とソフトウェアの導入について、27年度内に速やかに必要な品を発注し、とり行う。
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Research Products
(3 results)