2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of adaptation mechanism to delayed sensory feedback on voluntary action
Project/Area Number |
26380998
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
菅野 禎盛 九州産業大学, 経営学部, 准教授 (90352103)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / オランダ / 多感覚知覚 / 視覚 / 聴覚 / 順応 / 時間知覚 / 感覚運動協調 |
Outline of Annual Research Achievements |
自発的な動作(例えばボタン押し)に対する感覚フィードバック(例えば光や音)を人為的に遅らせると当初感じられていた遅れが時間の経過とともに消失する。このとき同時性の知覚そのものが変化していることが先行研究から示されている(時間的再較正)。本研究は、運動感覚間の時間的再較正が感覚モダリティにどの程度特化しているのかまたその神経相関物は何かを心理物理実験と脳波測定(EEG)により系統的に検討することを目的とした。H26年度は、時間的再較正のメカニズムが感覚モダリティ間でどの程度共通なのかについて検討し、光と音を異なる遅延で交互に呈示して順応させた場合、視聴覚間で大きなクロストークが生じることを示した。一方で、遅延聴覚フィードバックに対する時間的再較正は同期した視覚フィードバックによっても完全に相殺されないことが示され、聴覚モダリティに特有のメカニズムも存在することが示唆された。H27年度からH28年度にかけては、理論的に予測される時間的再較正による感覚処理の促進が実際に起こっているかを検証する一連の実験を実施した。実験では遅延視覚または遅延聴覚フィードバックへの順応後に反応時間を測定した。結果、聴覚では知覚潜時の短縮が一貫して見られた一方で、視覚では知覚潜時の変化は見られず、視覚と聴覚とで時間的再較正のメカニズムが異なることが示唆された。H28年度からH29年度にかけては、この知覚潜時の短縮の神経相関物を明らかにするため脳波測定実験を実施した。実験の結果、統制条件と比較して遅延聴覚フィードバックに順応させた実験条件では聴覚誘発電位の初期成分のP1(25-50 ms)と後期成分のLPP(350-750 ms)において有意差が認められた。一連の実験の結果、時間的再較正のメカニズムには感覚モダリティに共通の部分とそれぞれに固有の部分があることが示唆された。
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Research Products
(5 results)