2015 Fiscal Year Research-status Report
ポストモダン以後の教育哲学における規範の再創出―ポスト構造主義のフロイト解釈から
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26381046
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
下司 晶 日本大学, 文理学部, 教授 (00401787)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育哲学 / ポストモダニズム / ポストモダン |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の教育哲学は、ポストモダニズムの影響によって、今後の教育が目指すべき方向を語ることが困難になったといわれる。しかし、はたして教育哲学のポストモダニズム受容は妥当なものであったのだろうか。一面的に、批判と相対主義の思想としてポストモダニズムを受容してきたのではなかったか。 本研究では以上の課題意識から、現代社会において目指すべき教育のあり方を提示するための基礎作業として、教育哲学のポストモダニズム受容と、ポストモダン思想の積極的な価値を検討することを目的としている。 本年度の主な研究成果として、以下をあげることができる。 (著書)(1)下司 晶編『「甘え」と「自律」の教育学――ケア・道徳・関係性』, 世織書房, 2015年5月. (2)下司 晶・須川公央・関根宏朗編『教員養成を問いなおす』, 東洋館出版社, 2016年3月. (論文)(1)下司 晶・矢野智司「研究討議に関する総括的報告(研究討議 「教育学の古典」はいかに創られ、機能してきたのか――教育哲学のメタヒストリー)」『教育哲学研究』111号(2015年5月), pp.19-25. (2)下司 晶「国民の教育権論をフーコーで組み替える――教育思想のポストモダン・序説(道徳教育篇) (シンポジウム 社会の構想と道徳教育の思想――源流から未来を展望する) 『近代教育フォーラム』24号(2015年9月), pp.88-94.(3)下司 晶・青柳宏幸・本田伊克・木村元「「戦後教育学」のアリーナ―― 政治・ディシプリン・教育運動」『近代教育フォーラム』24号(2015年9月), pp.149-155. (4)下司 晶・木村拓也「「教育学の古典」に関する意識調査――教育哲学会第五七回大会研究討議参加者を対象として」『教育哲学研究』112号(2015年11月), pp.232-238.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進行している。ただし、道徳の教科化など現代教育の動向を踏まえて、若干の軌道修正を行っている。具体的には、教育学のあり方を問いなおすために、教育学における「古典」の問題や、教育学と政治との関連に触れることとなった。 本年度の主な研究成果については上述の通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が最終年度となるため、研究をまとめていく。研究成果は、論文や単行本の形で発表予定である。単行本の出版に関しては出版社と交渉中である。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入を予定していたが、業者との間で納入時期の折り合いがつかず、若干の繰り越しがあった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に繰越金も含めて全額を使用予定である。
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Research Products
(7 results)