2016 Fiscal Year Research-status Report
生徒の学校づくりへの参加が持つ意義および機能に関する日独比較研究
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26381082
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
柳澤 良明 香川大学, 教育学部, 教授 (40263884)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 権利としての生徒参加 / 教育としての生徒参加 / 学校会議 / 生徒会 / 民主主義教育 / シティズンシップ教育 / 主権者教育 / 18歳選挙権時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度における研究実績としては下記の2点が挙げられる。 第一に、ドイツにおける生徒の学校づくりへの参加の実態を把握した上で、その意義および機能を分析するという課題についての成果として、前年度までの成果に引き続き、ドイツでは民主主義教育の取り組みが生徒の学校づくりへの参加において重要な機能を発揮していることを確認できたことが挙げられる。いくつかの州における民主主義教育の実態に関する情報収集をとおして、民主主義教育が1970年代からの生徒参加の歴史を引き継ぎ、さらに発展した形で多方面にわたり拡大していることを確認することができた。たとえば、初等教育の学校においても生徒参加が活発に実践されるようになってきていること、経営活動への参加だけではなく、日常の教育活動への参加が活発に実践されるようになってきていること、などが具体的な変化として挙げられる。今後、さらに具体的な取り組みを数多くの事例をもとに詳細に把握していきたい。 第二、日本における生徒の学校づくりへの参加の実態を把握した上で、その意義および機能を分析するという課題についての成果として、前年度に引き続き、教科学習、総合的な学習の時間、等での成果発表、保護者や地域住民との意見交換をとおして生徒が間接的に学校づくりに参加するという事例を参観する機会を得ることができたことが挙げられる。同校の実践は前年度までの実践に引き続き、質の高い成果を挙げているといえ、成果発表や意見交換に対する生徒の意欲的な取り組みが印象的であった。こうした活動を手がかりとして、生徒の学校づくりへの参加を含むシティズンシップ教育が18歳選挙権時代に求められる質の高い主権者教育につながる可能性を有していることを見出すことができた。今後、日本における主権者教育の取り組みにも視野を広げながら、生徒の学校づくりへの参加が有している可能性を探っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に実施を予定していた2つの研究課題に取り組むことができ、順調にその成果を得ることができたということから、「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度にあたる平成29年度においては、当初に計画どおり、第一に日独両国の実態、意義、機能に関する比較研究を行うとともに、意義および機能のカテゴリーを整理したマップを作成するという課題に取り組みながら、第二にドイツにおける生徒の学校づくりへの参加の実態を把握した上で、その意義および機能を分析するという課題、第三に日本における生徒の学校づくりへの参加の実態を把握した上で、その意義および機能を分析するという課題にも継続して取り組む。
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Research Products
(4 results)