2015 Fiscal Year Research-status Report
授業研究を機軸とした高等学校の学校経営に関する多角的研究
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26381099
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
高井良 健一 東京経済大学, 経営学部, 教授 (50297339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 優 福井大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40589313)
岩田 一正 成城大学, 文芸学部, 准教授 (70338573)
齋藤 智哉 國學院大學, 文学部, 准教授 (80570481)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新任教師 / 語り / 変容 / オートヴァイオグラフィ / アイデンティティ / ベテラン教師 / 専門家共同体 / 高等学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度には、フィールドワークの対象である埼玉県立新座高等学校を訪問し、授業研究会の参観ならびに新任教師の継続的なカンファレンスとインタビューを行った。また、2014年度以前に行ったインタビュー・データの逐語訳のトランスクリプトとして起こし、これらの研究データを研究者、実践者間で共有した。これらの研究データをもとに、新任教師の語りの変容を、新任教師自身が振り返るオートヴァイオグラフィーの研究を行った。三人の新任教師の振り返りの記録であるオートヴァイオグラフィーについては、三人の研究者がこれらを読み込み、分析を行った。この研究成果については、第25回日本教師教育学会研究大会(2015年9月19日、20日/信州大学教育学部キャンパス)のラウンドテーブルにて発表した。 これと並行して、新座高等学校の授業研究が専門家共同体の構築にどのように寄与したのかを明らかにする研究を行った。具体的には、授業研究プロジェクト委員会の主要メンバーであるベテラン教師が自らの歩みを振り返るオートヴァイオグラフィー研究を行った。このオートヴァイオグラフィー研究を通して、授業研究会に主体的に関与することにより、ベテラン教師がそのアイデンティティの基盤を、自らの専門的成長から専門家共同体の構築という同僚性の再構築に移行していることが明らかになった。この研究成果については、2016年度に学会発表を行う予定である。 今後の課題として、新任教師の語りの変容についてのさらなる分析と叙述、ならびに専門家共同体の構築の具体的な過程についての多元的な分析と考察が立ち上がっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新任教師のカンファレンスやインタビューを計画通りに行うことができており、ベテラン教師の振り返りのヴァイオグラフィも進展し、専門家共同体の構築についての探究もその準備が進んでいるから。
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Strategy for Future Research Activity |
新任教師の語りの変容を通して、高等学校全体における教師のサポートに通ずるような知見を析出すること。さらには、ベテラン教師の研究を通して、授業研究を通しての質の高い同僚性の創出についての知見を導き出すこと。
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Causes of Carryover |
次年度の研究発表の旅費ならびに授業研究支援のための物品での支出が必要になる可能性があり、その分を確保している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究発表のための旅費ならびに授業研究支援のための物品購入、さらにはテープ起こし、逐語訳のトランスクリプト作成費用。
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Research Products
(3 results)