2016 Fiscal Year Annual Research Report
A multiple research focused upon public high school manegements using the lesson study
Project/Area Number |
26381099
|
Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
高井良 健一 東京経済大学, 経営学部, 教授 (50297339)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 優 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 准教授 (40589313)
岩田 一正 成城大学, 文芸学部, 准教授 (70338573)
齋藤 智哉 國學院大學, 文学部, 准教授 (80570481)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 授業研究 / 専門家共同体 / 高等学校 / 新任教師 / ベテラン教師 / 同僚性 / ナラティブ / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高等学校における授業研究への参加が新任教師たちの教科ならびに教授学的思考に関する能力の発達にどのように寄与するのか、さらには学年単位による授業研究の組織化が教師たちの同僚性の再構築にどのような影響を与えるのか、を明らかにすること によって、授業研究を機軸とした学校経営の方略について、具体的かつ多角的な事例叙述を通して問題提起することを目的として開始した。3年目の最終年度では、授業研究による教育の諸関係の変容を浮き彫りにすることで、高等学校、とりわけ教育困難校の改革のための専門的共同体の構築による学校経営の可能性を提示することを試みた。 具体的には、埼玉県立新座高等学校をフィールドとして、以下の二つの研究を実施した。一つ目は、同校の授業研究プロジェクト委員会を立ち上げたベテラン教師が自らの長期実践記録を作成し、授業研究を機軸に据えた教師の学習過程と同僚性の変容とその再構築の過程をナラティブとして描写した。研究者は、長期実践記録のナラティブ分析を行い、間主観性を担保しながら、同校における“専門家として学び合う共同体”の構造と生成過程を明らかにした。二つ目は、同校の三名の新任教師によって語られたライフストーリーを、研究者が分析し、授業研究を基軸とした“専門家として学び合う共同体”における新任教師の変容の契機とその過程を明らかにした。これらの二つの研究を統合することによって、高等学校のいわゆる困難校における、学校経営、現職教育の新たな可能性を明らかにした。 以上の研究成果については、日本教師教育学会の研究大会において、研究発表を行った。そこでは、今回の授業研究を基軸とした教師たちのナラティブを用いた協働研究について、今後ますます必要となる学校を基盤とする教師教育の一つの方向性を示す事例研究として、問題提起を行った。
|