2015 Fiscal Year Research-status Report
NPM型教育行政改革における市民の位置づけに関する研究
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26381160
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
中村 浩子 大阪国際大学, 国際教養学部, 准教授 (00441113)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | NPM型教育行政改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)型教育行政改革における市民の位置づけについて、これまで研究代表者がニュージーランドの教育行政改革を対象に行ってきた調査研究の成果をもとに、ニュージーランド同様にNPM型改革が遂行されながらも、市場よりもむしろ市民社会による統治が理念化されてきたオランダ、デンマークを比較対象として、二国の教育行政改革プランにおける市民の位置づけ、現実における市民と学校の関係性、それらの背景をなす教育や政治に関する思想的・制度的伝統について検討することである。平成27年度は、①ニュージーランドとの比較を念頭にデンマーク及びオランダの学校体系及び教育形態の多様性を把握すること、②NPMモデルの採用状況について、ニュージーランドとの共通点及び相違点を把握すること、③NPMモデルが採用されるに至る政治及び教育に関する制度的・思想的背景について検討する計画で研究を進めた。①については基本的な文献及び資料を収集し、学校体系の全体像の把握に努めた。②については、次年度以降に実施する現地調査に向けて準備すべく、関連する先行研究を収集し、文献等からNPM型として確認できる制度的特徴ないし政策事項の把握に努めた。③については、オランダ及びデンマークのNPMモデルにおける市民の位置づけについて明らかにするための前段階として、背景にある教育的・政治的思想の比較分析を行うための分析枠組みを、これまでの研究代表者によるニュージーランドを事例とした研究成果から構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
③デンマーク及びオランダにおけるNPMモデルの採用を条件づけた制度的・思想的背景について、ニュージーランドとの比較を行うための分析枠組みの構築をほぼ完成させることができた。しかし、①学校体系及び教育形態と②NPMモデルの採用状況について把握する作業が遅れている。 産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い研究は平成27年度9月1日から再開した。
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Strategy for Future Research Activity |
オランダ及びデンマークの学校体系及び教育形態の把握、また両国の教育行政におけるNPMモデルの採用状況の把握を急いだ上で、両国では教育行政と学校運営との関わりにおいて、市民がいかなる位置づけにあるのかについて明らかにする作業に取り組む。デンマーク及びオランダにおいて教育関連省庁及び教育研究機関を訪問し、聞き取り調査及び資料・文献・情報収集を行う。
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Causes of Carryover |
当初の研究実施計画では初年度に行う予定であった現地調査を、産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い研究期間を延長したことから、研究実施計画を変更して次年度に行うこととした(延長申請済み)。よって使用額にも変更が生じたことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間の延長に伴い変更した研究実施計画に則り、主として次年度においてデンマーク及びオランダで現地調査を実施する際に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)