2014 Fiscal Year Research-status Report
異学問・学校・地域との協働によるシビックプライドを育む小学校社会科地域学習の開発
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26381214
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
伊藤 直之 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20390453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 尚人 熊本大学, 政策創造研究教育センター, 准教授 (60311742)
戸田 順一郎 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (80437805)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シビックプライド / 社会科教育 / 小学校 / 異分野 / 地域 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,研究代表者と2名の研究分担者からなる研究体制の構築と,3カ年にわたる研究計画に関する検討を中心に行った。 第1回研究協議は佐賀大学経済学部で行い,代表者の専攻する社会科教育学からのアプローチ,分担者の専攻する社会環境工学,地域経済学からのアプローチとして,各々がどのような形で小学校段階の社会認識教育に貢献できるかを議論した。 第2回研究協議は熊本大学政策創造研究教育センターで行い,社会科教育学の理論から小学校段階の社会認識教育の特徴と課題を,問題解決学習の典型例を用いて指摘した。また,社会環境工学からのアプローチとして,熊本市内の小学校における総合的な学習の時間での地域の水資源に視点を当てた先行的実践を,地域経済学からのアプローチとして,佐賀県小城市の小学校における地域の社会施設の利活用をめぐるワークショップ型の実践を,それぞれ報告・確認した。そして,熊本市内の小学校教諭3名と懇談の場を設け,小学校教育におけるシビックプライドのイメージや可能性,大学研究者や地域社会との連携可能性について,学校現場からの現状認識や要望を伺った。 これらの初年度の成果を,2015年3月に日本地理学会春季学術大会(日本大学文理学部)において発表し,併せて,その反省として第3回研究協議を行い,次年度への課題と展望を集約した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
このように判断する理由は,研究初年度でありながら,シビックプライド育成をねらった教育実践として,熊本市内の小学校における地域の水資源に視点を当てた授業と,佐賀県小城市の小学校における地域の社会施設の利活用をめぐるワークショップ型の授業とを,それぞれ構想し,参画することができたからである。 研究課題に関する理論的な検討はもとより,先行的な実践を通して,学習者である子どもにとっての意義や課題を意見聴取できた。これらのことは,今後のさらなる研究の精緻化のために貴重な資料となるであろう。また,地域や学校との連携可能性を実際的に探ることができたことも重要な成果である。 なお,当初予定していた外国調査については,日程調整の都合と予算の制約のため,基金の特性を生かして,2015年度以降に実施することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究は以下のような方策で推進することとする。 1.初年度に行った先行的実践の継続を通した仮題抽出と精緻化。 2.国内外におけるシビックプライド育成をねらった学校教育,地域社会の取り組みに関する訪問調査,資料の分析。 3.研究代表者・分担者に加え,協力者を含めた協働体制による教育実践についての研究組織の構築と実践モデルについての検討。
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Causes of Carryover |
当初,外国調査を当該年度と2015年度に計画していたが,当該年度内において3名が同時に都合の付くまとまった日程確保ができなかった。また,予算の制約を考慮して,外国調査をより充実した成果を得るものとするために,基金の特性を生かして,2015年度以降に実施することにした。 その他,今後の研究協議の際に,研究協力者を含む国内旅費が想定以上必要であることを鑑みて,より研究活動が本格化する平成27年度以降に予算を残しておくこととした。 以上のような理由で,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.国内外におけるシビックプライドを目指す地域・学校の取り組みに関する調査のための旅費 2.研究協議会開催および学会参加・発表とそれに伴う研究代表者・分担者・協力者の旅費
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Research Products
(7 results)