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2015 Fiscal Year Research-status Report

オーラル・ヒストリーによる戦後の創造主義的造形教育の検証と考察

Research Project

Project/Area Number 26381228
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

辻 政博  帝京大学, 教育学部, 准教授 (60711702)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsオーラル・ヒストリー / 創造美育運動 / 戦後の創造主義的造形教育 / 地方における創造美育運動の展開 / 人間観 / 教師観 / 子供観 / 教材観
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度は、創造美育運動に大きな影響を与えた尾張瀬戸の北川民次アトリエ跡の訪問を行い、創造美育運動との関連を推察した。次に、創造美育運動の中心的指導者である高森 俊氏を訪問し、インタビューと指導資料の確認を行った。高森氏からは、創造美育運動の実感を伴った教育観、人間観を拝聴することができた。自宅倉庫には、貴重な当時の児童画等の資料を確認できた。
8月には、熊本、天草方面に、山田星史氏をはじめとする「子ども美術文化研究会」のインタビューと保育園施設訪問を行った。本研究会は、創造美育運動の系統を引き継ぎ、新たに、創造主義的な造形教育を活発に展開しており、貴重な事例であった。光輪保育園、かもと乳児保育園、緑川保育園、大矢野あゆみ保育園、もぐし保育園の5園を視察した。特に、園の環境設定や子供たちののびのびした活動に感銘を受け、創造的な環境と保育について示唆を得た。
2月には、創造美育運動の最も盛んな地域であった福井を訪問し、国定秀行氏、木水創氏(創造美育運動の福井における最も需要な指導者であった故木水育男氏長男)、阿部莉江子氏、朝倉俊輔氏(創造美育運動研究者)、長谷光城氏のインタビューを行った。また、武生第三中学では。木水育男指導の壁画を見学した。福井における文化的な土壌と創造主義的な造形教育の展開に関して重要な示唆を受けた。
長谷光城氏の活動からは、福井県の教育審議監を勤めるなど、教育行政を踏まえた創造美育運動以後の造形教育の良質な展開をみることができた。長谷氏は、熊本の「子ども美術文化研究会」の創設と指導に関係しており、地域を超えた創造主義的な造形教育のネットワークをみることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

①平成27年度は、創造美育運動の中心的指導者である高森俊氏の訪問インタビューをはじめ、創造美育運動関係の地方における展開の検証として、尾張瀬戸(北川民次アトリエ跡)、熊本関係、福井関係を訪問し、関係者のインタビューと施設訪問、指導資料の見学等を実施することができた。
②一方で、インタビュー対象者が、高齢化、もしくは、ご逝去されていて、実施できない状況もあり、研究対象者の調査を行いながらの研究となっている。
③創造美育運動関係者(木水育男、北川民次等)の指導資料の確認を行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は、研究最終年度でもあり、次の点から研究を進め、3年間の研究を総括する。
①創造美育運動をはじめて紹介した岩波映画『絵を描く子どもたち』(監督:羽仁進氏、カメラマン:小林進氏)関係者のインタビューを実施したい。また、数少ない創造美育運動関係者も発掘し、インタビューしたい。
②これまで行ったインタビューを最終校正し、まとめる。
③インタビューの他に、貴重な児童画等の資料も確認できているので、資料展覧会とシンポジウム等を企画実施する。

Causes of Carryover

①「オーラル・ヒストリー」関係の文献研究のための資料購入が遅れたため。
②当初予定していたインタビューを福井の創造美育運動の関係者へと変更したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

①オーラル・ヒストリー研究の文献資料の購入。
②映画『絵を描く子どもたち』(監督:羽仁進氏。、カメラマン:小林進氏)のインタビューを行う。
③資料展覧会関係の費用として使用する。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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