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2015 Fiscal Year Research-status Report

音楽教育のグローバル化をめざした小学校教員養成のための世界のダンス教材開発

Research Project

Project/Area Number 26381261
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

吉澤 恭子  秋田大学, 教育文化学部, 教授 (40594354)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywordsフォークダンス / 小学校音楽科 / 教員養成 / フランス / ダンス教材 / アソシエーション
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は2点ある。
(1)西洋音楽のみならず諸外国の伝統音楽を学び、理解する上で「音楽」と「舞踏」は切り離すことのできない関係にある。そこで小学校音楽科における身体表現活動の題材として「フォークダンス」に焦点をあて、その学習の意味・意義を明らかにするための基礎的研究を行うこと(2)フランスでは小学校音楽科そして音楽教員養成カリキュラムに伝統的なダンス実践が積極的に取り入れられ、公的な教材も存在する。現地の小学校で展開されているダンス実践の実態調査を行うとともに、日本の音楽科に寄与するダンス実践のあり方を検討する。その上で小学校教員養成のための世界のダンス教材を開拓・作成し、日本の音楽教育のグローバル化をめざす。
2年目にあたる本年度は「研究資料収集」「現地調査」「教材化への準備」の観点から、以下の活動を遂行した。
・伝統的なダンス教材等の研究資料・情報の入手に努めた。
・オルレアン=トゥール・アカデミー管轄下にあり、ベリー地方のダンス実践を「芸術実践と芸術史」の活動領域と関連づけ、クラスの授業に導入している小学校において視察調査を行った。ダンスの実践指導にあたっている地域のアソシエーションが作成・発行する教材に基づき、教材作成に向けたレパートリーの選出を開始した。また、レンヌ・アカデミー管轄下の小学校における伝統的なダンスの実践状況に関する情報収集ならびに視察調査を開始した。
・教材の一部を成すDVDの作成準備として、勤務大学の小学校免許取得予定かつ音楽専門科目を受講する学生(2~4年生)を対象とし、これまで構築してきたダンス・レパートリーの実践を、担当する音楽科教育の授業内において着手した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

大学を移籍したため、例年のように研究に費やす時間を捻出することができなかった。特に当初予定していた文献資料による基礎的研究が遅れていることから総合的に判断し、上記のような評価となった。一方伝統的なダンス実践を導入しているフランスの小学校での視察調査に関しては、昨年度に引き続き順調に進んでいる。2015年10月にはオルレアン=トゥール・アカデミー管轄下の小学校、2016年3月にはレンヌ・アカデミー管轄下の初等学校が関与するダンス実践の視察調査を遂行した。フランスの学校教育におけるダンス実践には、地域のアソシエーションのみならず文化芸術組織、地方自治体や体育教育関連組織の支援を不可欠としており、研究のフィールドが拡大したことは大きな収穫であった。

Strategy for Future Research Activity

日本の小学校教員養成のための世界のダンス教材化に向けて、これまで入手したフランス国民教育省刊行資料やダンス教材等の分析に着手し、資料研究を進めていくことが必要不可欠である。特に、フランスの小学校の音楽教育におけるダンス学習の意義・意味に関する基礎的研究を進めていく。
前年度視察調査を実施した2つのアカデミー管轄下にある小学校ならびに初等学校のダンス教育に関与するアソシエーションや団体組織と継続的にコンタクトをとり、新たに「教員養成」という視点を絡めながら研究を進めていく。

Causes of Carryover

2016年3月末から4月初めにかけて、年度をまたいで現地調査を遂行した。平成28年度分(4月1日以降)の諸経費が平成27年度分として計上されなかったため、未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年度未使用額分は、年度をまたいだ現地調査諸経費(旅費)として既に使用されている。
今年度は年度内に2回の現地調査を検討している。前年度に引き続き、旅費および研究調査に要する消耗品等の購入経費、そして教材の一部を成すダンス音楽の音源制作費として使用する予定である。

Research Products

(2 results)

All 2016 2015

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] フランスの小学校における芸術的実践と芸術史 : 中部地方の事例から2016

    • Author(s)
      吉澤恭子
    • Organizer
      日本音楽教育学会平成27年度東北地区例会
    • Place of Presentation
      岩手大学
    • Year and Date
      2016-03-05 – 2016-03-05
  • [Presentation] 日仏の音楽教育における文化多様性2015

    • Author(s)
      吉澤恭子
    • Organizer
      日仏教育学会
    • Place of Presentation
      北星学園大学
    • Year and Date
      2015-10-25 – 2015-10-25
    • Invited

URL: 

Published: 2017-01-06  

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