2014 Fiscal Year Research-status Report
幼児・児童を対象とした日本美術鑑賞教育プログラムの開発
Project/Area Number |
26381294
|
Research Institution | Kyushu Lutheran College |
Principal Investigator |
犬童 昭久 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 准教授 (40720868)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 日本美術 / 鑑賞教育 / 幼児教育 / 図画工作教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目の研究内容は、幼稚園・保育所や小学校における日本美術をテーマとした授業等の現状と日本美術を取り扱う美術館・博物館の鑑賞教材等についての調査。調査結果をまとめ、幼児・児童における日本美術をテーマとした鑑賞教育の現状と課題を明らかにすることである。研究実績は次のとおりである。 (1)国内外の関連した文献等から本研究に援用できる内容の考察を行うものとして、日本と米国の保育・図画工作科関連の教科書等を収集し、日米の教科書における日本美術に関する取り扱いについて調査した。併せて造形表現・図画工作科関連ウェブページの調査も実施した。 (2)現地視察または取り寄せた資料を通して幼稚園・保育所や小学校における日本美術をテーマとした授業が行われている現状を調査し、日本美術の各分野における実践内容と課題について明らかにした。 (3)現地視察または取り寄せた資料を通して日本美術を取り扱う美術館・博物館の鑑賞教材の現状、学校との連携の状況を調査した。日本美術を取り扱う美術館・博物館の鑑賞教材の現状、学校との連携の状況を調査することで、全国の状況から現在の傾向を把握した。 (4)次年度への課題を明確にし、研究協力者と共に研究方法の確認・検討を行った。 以上の調査結果から、国内における幼児・児童を対象とする日本美術を主題とした美術鑑賞の実践例は豊富とはいえない実態が明らかとなった。教材不足や指導法が十分に解明されていないことが理由であると結論付けることができた。平成26年度は本研究の第1年目であるので、関連資料の収集と実態調査に留まったが、次年度では調査結果をまとめ、学会等にて成果発表を行うと共に、結果を基に実際のプログラム開発に着手する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は4年計画であり、1年目は、幼稚園・保育所や小学校における日本美術をテーマとした授業等の現状と日本美術を取り扱う美術館・博物館の鑑賞教材等について調査を行い、調査結果をまとめ、幼児・児童における日本美術をテーマとした鑑賞教育の現状と課題を明らかにし、当初の目的を概ね達成できた。 なお、大学紀要で研究の一端は発表したが、学会等における成果発表を行うまでには至らなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目は教材試作品を作成して協力校で実践し、効果を検証する。 (1)鑑賞プログラム案の作成(協力者と共に鑑賞授業のテーマ設定、作品の選定、教材化のための資料収集、授業内容等の策定を行う。) (2)教材試作品の作成(事例と鑑賞指導法や支援法をまとめた資料、ワークシート、作品の画像カード、作品の解説カード、教示用作品図版、立体教材等、主に「ハンズ・オン鑑賞ツール」を作成する。) (3)協力校での実践(協力校にて教材試作品を使用した鑑賞教育プログラムを実施し、その効果を検証する。課題があれば改善を行う。) (4)実践記録のまとめ(検証結果等をまとめる。) (5)学会論文執筆等(学会等における成果発表を行う。)
|
Causes of Carryover |
次の3点により生じた。 ①学会における研究成果発表を実施せず、旅費を使用しなかったため。②研究補助の人件費・謝金が発生しなかったため。③映像・焼付費、スキャナプリント費、研究成果稿料が発生しなかったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
設備備品(デジタルカメラ、日本の伝統・文化関連図書、図画工作科教育関連図書、保育教育関連図書、美術鑑賞関連図書)、消耗品(プリンタインクトナー、印刷用紙、日本の伝統・文化関連教材用素材、図画工作科教育教材用素材、保育教育関連教材用素材、美術鑑賞関連教材用素材)の購入、調査・研究旅費と研究成果発表旅費、研究補助、映像・焼付費、スキャナプリント費、研究成果稿料として使用する。
|
Research Products
(1 results)