2016 Fiscal Year Research-status Report
北欧福祉国家におけるインクルーシブ教育の多層性と多様性の研究
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26381327
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| Research Institution | Kochi University |
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Principal Investigator |
是永 かな子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (90380302)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 段階的支援 / 二次障害 / 特別ニーズ教育 / 単身未成年難民 / 通常教育改革 / 北欧 / 知的障害 / インクルーシブ教育 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には、北欧四か国にかかわる文献検討を行うとともに、実地調査をすることによって、通常学校を中心とした特別ニーズ教育の具体化について考察した。とくに今年度以降は二次障害対応として広く「特別な教育的ニーズ」対象をとらえて研究を実施する。具体的には以下である。第一に、フィンランドにおける通常教育改革と通常学校の機能拡大としての個のニーズに応じた段階的支援について分析した。第二に、スウェーデンにおける特別ニーズ教育としての単身未成年難民施設の現状と課題や学校との連携について検討した。第三に、特別支援教育を念頭においた学級経営および母子関係形成支援について示した。第四に、特別ニーズ教育としてのギフテッド支援やスウェーデンにおける問題行動を示す知的障害児への二次障害支援を調査した。第五に、スウェーデンにおける知的障害児のインクルーシブ教育の可能性について教育課程と実際の試みに注目して考察した。これらによって、通常学校を中心とした支援体制が、個の多様性に基づいて段階的・多層的に整備されている状況を比較検討した。本研究テーマとしての三年目は、以下の各大学の研究者の協力を得た。それらは、フィンランド・ユバスキュラ大学、デンマーク・オーフス大学とメトロポリタン大学、スウェーデン・イェーテボリ大学、ノルウェー・インランドノルウェー応用科学大学である。同時に各大学周辺地域の教育機関を訪問し、現地調査と資料収集を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北欧福祉国家におけるインクルーシブ教育の多層性と多様性の研究として、平成28年度はフィンランドにおける通常教育改革やスウェーデンにおける二次障害支援、スウェーデンにおける知的障害児のインクルーシブ教育などについて、現地調査と文献検討を実施した結果を示すことができた。現在印刷中の査読付き論文もある。ただし、訪問調査を実施したデンマーク、ノルウェーの成果をまとめられていない。よって、平成29年度には北欧福祉国家の比較軸を明示しつつ、北欧4か国を対象に、研究成果を公刊する必要がある。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、特別学校の変革について考察する。具体的には、第一に、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱を対象とした特別学校の有無や全国的な配置について現状を把握する。第二に、ノルウェーやスウェーデンなど特別学校を廃止した実績のある国に注目して、改革推進に伴う議論を明らかにする。第三に、特別学校廃止に伴う通常学校への影響について分析する。第四に、知的障害特別学校、重度重複障害学校など在籍児童生徒数が増加している学校を中心に特別学校におけるインクルーシブ教育の現状と方向性について、分析する。特別学校は通常学校との支援の連続体としていかに位置づくのか、多様なニーズに応じる合理的配慮として尊重・存続されるのか、またはインクルーシブ教育推進においては必要悪としてとらえられているのかなど、今後の特別学校の在り方を考察する。また最終年度であるので、4年間の研究成果を総合的に分析し、今後の課題に基づいて研究計画を再考する。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、前年度までに購入した物品の活用ができたために、物品費の使用額が少なく抑えられたことと、効率的に海外出張を行うことができたためである。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の使用計画としては、年度の早い時期に海外調査を行うことと、年度の早い時期に物品を交流することを考えている。調整が必要な場合は、研究成果公表のための国内外学会参加を増やし、旅費等として使用することを計画する。
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Research Products
(17 results)
