2017 Fiscal Year Annual Research Report
Sensing of food texture using biomimetic surface
Project/Area Number |
26390001
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
野々村 美宗 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50451662)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 触感 / フラクタル / アパタイト / 寒天ゲル / 摩擦 / とろみ |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 食感センシングシステム用歯モデルの開発 ヒトの歯を模して表面に階層性の凸凹構造の刻まれたフラクタルアパタイトの開発に取り組んだ。すなわち、アルキルケテンダイマー(AKD)の構築するフラクタル表面を写し取った石膏を鋳型として、リン酸カルシウム/でん粉ペーストの表面に階層性の凸凹を転写、水中でインキュベートしてハイドロキシアパタイト・高分子複合体からなるフラクタルアパタイトを調製した。この複合材料の表面には数百nmのアパタイトの棒状結晶が集合して、数~数十μmの凸凹 を形成しており、階層性の凸凹を刻むことに成功したが、力学的な耐久性が低く、歯モデルとして用いることは難しかった。 2. 舌モデル表面におけるゲルおよびエマルションの挙動 モノを食べた時に舌表面で起こる界面現象をフラクタル寒天ゲル表面上で再現することを試みた。 2枚の寒天ゲル表面間で寒天ゲルブロックを圧縮したところ、寒天ゲル表面が平らな時はブロックが滑り出す場合があったのに対して、フラクタル寒天ゲル表面間では、試行したすべての場合に押し潰された。一方、水中にトリオレインを分散したOil-in-Water型エマルションを寒天ゲル表面間に挟んだ時は、平らな寒天ゲル間でもフラクタル寒天ゲル間でも、エマルション中に多量の油が配合されている時だけ潤滑現象が観察された。これらの結果は凸凹構造が舌に加わる力学的刺激や食感に大きな影響を及ぼすことを示唆している。 3. 増粘剤水溶液のトロミと摩擦特性 とろみ調整用の増粘剤を溶解した試料について官能評価と摩擦評価を行った。増粘剤濃度の増加に伴い粘度が増加し、とろみのスコアも増加した。また、2枚のフラクタル寒天ゲル間に資料を挟んで往復運動を行ったところ、5 往復目の摩擦係数から 1 往復目を引いた差は粘度の増加に伴い増加した。往復を重ねることで潤滑膜の膜厚が薄くなるためだと推察される。
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Research Products
(3 results)