2014 Fiscal Year Research-status Report
1mmの2.5次元構造は飛翔できるか?~マルチフィジクス計算力学による挑戦
Project/Area Number |
26390133
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
石原 大輔 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (80363399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 直 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (90443499)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マルチフィジクス / 計算力学 / MEMS / 流体構造連成 / 昆虫飛翔 / 超微小飛翔ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
昆虫飛翔は,マルチフィジクスの巧みな利用により,1mmスケールの微小化を達成しているので,その模倣による超微小飛翔ロボットが期待されている.しかし,マルチフィジクスの複雑さと加工技術の限界から,その可能性は明らかになっていない.ゆえに本研究では,マルチフィジクス計算力学により,2.5次元の設計空間で,昆虫飛翔を模倣した1mmスケールのMEMS翼を大規模探索し,マイクロマシニングにより,実空間で実装することで,超微小飛翔ロボットの可能性を示す. 初年度の平成26年度においては,以下の研究成果を得た:(1)昆虫飛翔の流体構造連成を中心とするマルチフィジクスは,既存ソフトによる解析が困難なので,各現象の解析方法の利点を再利用できる階層的分解モデルを用いて,安定性・精度・計算効率のバランスの良い解析プログラムを開発した.(2)昆虫飛翔を工学的に実現するために,受動的ピッチング動力学に基づく基本原理を示した.(3)(2)をマイクロマシニングで実装するために,翼の基本構造を典型的なMEMSの2.5次元構造により示した.(4)(1)(3)に基づき,MEMS翼の詳細設計を開始し,双翅目を基準とする満足解を得た.(5)(4)の実装と評価のための要素技術として,翼構造用有機薄膜と翼駆動用アクチュエータの開発に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示すように,当初の計画をおおむね順調に達成して,(1)~(3)の研究実績をあげることができ,さらに次年度以降の計画に含まれていた(4)と(5)の研究実績をあげることができたから.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画以上に進展しているので,MEMS翼のマイクロマシニングと性能評価を前倒しして実施し,超微小飛翔ロボットの実用化を目指して,MEMS飛翔体の開発へと研究規模を拡大する.
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Causes of Carryover |
詳細設計の結果,必要であることが分かった100μm以下級シリコンウェハーと高性能ポリイミド前駆体を次年度購入するため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
詳細設計の結果,必要であることが分かった100μm以下級シリコンウェハーと高性能ポリイミド前駆体を購入する予定である.
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Research Products
(17 results)