2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 庄 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (30710206)
三枝崎 剛 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (60584068)
篠原 雅史 滋賀大学, 教育学部, 講師 (70432903)
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (80632778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 整数格子 / 球デザイン / 有限群 / 線形符号 / 組合せデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
いくつかの研究集会に参加し、各分担者と議論を重ねた。特に、球デザインに関連した組合せ構造のうち等角直線族に関するものについて、グラフのスペクトルやアソシエーション・スキームの関連から情報収集を行った。格子の部分集合として現れる球デザインの類似物である、自己直交符号の部分集合として現れる組合せデザインについて、最小の非自明な例をハミンググラフの分割として構成することができた。またこのハミンググラフは有限射影幾何における Cameron-Liebler 線集合と関連づけられることがわかり、今後の発展が見込める。また、奇格子の陰の類似物である、重偶でない自己双対2元符号の陰の極値性について、被覆半径との関連を拡張した。重偶な自己双対符号で極値的なものは、十分大きい長さでは非存在が知られているが、この事実の類似として、重偶でない自己双対2元符号の陰の極値性にも適用できるのではないかという予想に到達することができた。これらの研究成果の中間報告を国内外での研究集会において発表した。
また、球デザインに関係する等角直線族の研究は、一般論を展開した論文を発表した後、いくつか個別に解決すべき問題が残されている。これらの問題の解決のために、アメリカで開催された国際会議において情報収集を行う予定であった。研究代表者は学生の突発的な事故のため参加を取りやめざるを得なかったが、研究分担者の須田氏は参加してこの作業にあたった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
将来的には整数格子に関連した球デザインの何らかの意味での分類と特徴付けを目指しているが、現在はその類似として簡単な問題である符号理論における問題から取り組んでいる。しかし、当初簡単と思われた問題であるが意外と奥が深く、自己直交的なデザインの非自明な例の発見に伴い、完全な分類はまだ遠いことがわかってきた。また、関連した組合せ構造を研究した結果、重偶でない自己双対2元符号の陰の極値性について、興味深い現象が観察されたので、この問題も近いうちに解決されることになると思われる。それでも、当初考えていた、点の数が24以下の自己直交的なデザインの分類と、対応する偶格子と球デザインの分類問題は、少しずつ進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
重偶でない自己双対2元符号の陰の極値性について、興味深い現象が観察された。これにより十分大きい長さでは非存在が示せる可能性が生じたため、まずこの問題を解決したい。このような成果は20年近い間得られていないため、インパクトが大きいと思われる。また、当初考えていた、点の数が24以下の自己直交的なデザインの分類を、自己双対符号のデータベースと計算機実験を利用して完成させる。対応する偶格子と球デザインの分類問題は、特に2次体の整数環上の格子との関連を調べていく。
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Causes of Carryover |
8月にアメリカで開催された国際会議に参加予定であったが、直前に学生の突発的な事故があり、参加をとりやめざるを得なくなった。このため、必要としていた航空賃から取り消し手数料を除いた差額分を繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した金額は翌年度にロシアで開催予定の国際会議に参加するための旅費として使用予定である。
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