2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26400004
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
早田 孝博 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (50312757)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 基本領域 / ジーゲル上半空間 / シンプレクティック群 |
Outline of Annual Research Achievements |
実シンプレクティック群のジーゲル上半空間への作用の基本領域はジーゲル基本領域と呼ばれ、有限個の超曲面によって定まる半空間の交わりとしての記述を持つ。ゴットシュリンクにより二次の場合は28個の超曲面が必要かつ十分であることが示されている。 研究代表者および他2名の2012年の結果により、それら超曲面の交わりの 0 次元成分 (0-セル)はすべて求められた。これはボロノイ理論における完全形式の一般化の観点から重要である。しかしながら2012年の時点では、それらのジーゲルモジュラー同値性は明らかではなかった。 本研究の課程において、ボロノイ理論における最短ベクトルを求めるアルゴリズムに着想を得て、0-セルのグラム行列を考えることにより、そのジーゲルモジュラー同値性を完全に決定することができた。結果は40個の同値類にわかれる。ジーゲルモジュラー同値性をグラム行列の同値性とその整行列がジーゲルモジュラー群に属するかどうかの判定の二段階にわけ、それぞれを実行するコンピュータプログラムの作成を行った。さらに 0-セルの固定化部分群の位数を同様の考察により求められる。これらはゴットシュリンクの結果を再確認するものであった。 さらにこの着想を発展させ、各0セルの最短モジュラー行列ともいうべき要素を求めることが重要であることが認識された。これらはランキン型の完全形式を求める際と共通の困難さがあることも認識された。今後この要素を求めるアルゴリズムの開発が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究の申請の元となった結果における未解決部分が、今年度の研究によって解決できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最小ベクトルを求めるアルゴリズムを開発する。そのため、研究協力者と研究連絡をできるだけ密に行う。また必要な機材などを物品費を利用して拡充する。さらに文献を充実し、C. ババールらの一連の論文の理解を深め、本研究に役立てる。
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Causes of Carryover |
研究連絡において研究協力者のサポートにより、研究連絡用の旅費が一回分使用しなくてすんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究連絡の旅費に充てる。
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