2015 Fiscal Year Research-status Report
無限次元の代数群とリー代数の構造と表現、および準周期構造への応用の研究
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26400005
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
森田 純 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20166416)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 代数群 / 単純群 / シュアー乗法因子群 / リー代数 / 分類問題 / 同型問題 / 準周期構造 / ルート系 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
無限体上のカッツ・ムーディ群の構造解明を行い、有限体の代数的閉包に含まれる無限体の場合に、シュアー乗法因子群が自明となる単純群の条件を解明した。その条件は、完全に体の条件で記述され、その体が具体的に与えられれば、代数的に簡単に判定できる条件として与えることができた。すなわち、チェックすべき無限体は、有限体の極限和として与えることになるが、そこに出てくる有限体の様子を調べることで容易に求める結果が導かれることになった。これにより、無限次元代数群で自明なシュアー乗法因子群を持つ単純群の夥しい例が構成されることになり、数学的に実用上の具体例を豊富に提供できることとなった。
局所アフィン・リー代数の分類問題と極大問題に関しては完成の域に達していて、その応用を模索中である。また、極小問題も解決し、現在は同型問題に精力的に取り組んでいるところで、簡潔な判定条件により簡明な記述に統一しているところである。目標としては、無限対角行列の性質により同型問題の特徴づけるという形を目指している。これが完成すれば、非常に美しい必要十分条件が得られることになり、理論上極めて重要な結果となることが予想される。現在、その完成にむけて研究を進めているところである。また、対応する群に関しても、語の問題など、新しい問題が提起されてきているので、多方面から研究を推し進めている。
準周期構造への代数的なアプローチは、世界的な権威であるムーディ教授をはじめ多くの研究者と意見交換をし、またレビューを受けながら予定通りに研究を進めている。特に、コクセター群を中心に、その作用を調べ、ユークリッド空間内の結晶構造と非ユークリッド空間内の結晶構造を比較しながら、我々の実社会における準周期構造の新たな性質を導くべく、ルート系の構造を利用したり、コンピュータによる大規模計算を行いながら、目標に向けて研究を進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一のテーマに関しては、シュアー乗法因子群に関する条件を満足出来る形で与えることができた。目標は概ね達成され、順調に進展しているという判断である。
第二のテーマに関しては、目標の分類問題が終わり、さらに同型問題にまで議論が移行している段階まで進んでいる。これも概ね目標は達成され、順調に進展しているという判断である。
第三のテーマに関しては、群やリー代数といった代数構造と準周期構造の新たな関係構築の目処が立ち、目標に向けて研究を推進している段階であり、新たな関係の解明への大きな足がかりが得られている。こちらは、あと１年で目標まで到達できそうである。もしも、計画通りに進まなかった場合には、海外の研究者との意見交換を一層深め、レビューを受け、うまくいかない箇所を徹底的に洗い出し、問題の解決を急ぐ予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
シュアー乗法因子群（第一のテーマ）および局所アフィン・リー代数（第二のテーマ）に関しては、現在の研究をまとめて国際学会等で発表していく予定。準周期構造（第三のテーマ）に関しては、目標に向けて研究を急ぐが、万一にも大きな問題点が発覚したばあいには、国際的な権威である海外研究者（ビーレフェルト大学教授 M. バーケ氏等）との共同研究により解決を目指す。
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| Causes of Carryover |
招聘予定の海外研究者の来日スケジュールが急に次年度に変更となり、平成27年度の支出相当分を平成28年度に回すのが妥当であると研究代表者が判断したため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に謝金として使用予定である。その他、招聘に関連して、文房具等を消耗品として購入予定である。
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