2015 Fiscal Year Research-status Report
マンフォード形式の無限積表示と幾何的なゼータ関数の特殊値
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26400018
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
市川 尚志 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20201923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 泰宏 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90250662)
庄田 敏宏 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (10432957)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 数論幾何 / アラケロフ幾何 / チャーン・サイモンズ不変量 / リウヴィル場 / 算術的リーマン・ロッホの定理 / ゼータ関数 / アインシュタイン・ケーラー計量 / 極小曲面 |
Outline of Annual Research Achievements |
・アラケロフ幾何、チャーン・サイモンズ理論、リウヴィル場の理論を統合することにより、チャーン・サイモンズ不変量の数論化、代数曲線の族に対する算術的リーマン・ロッホ同型写像の無限積表示、リウヴィル作用の正則分解公式の完成版を与えた。 ・上記の結果を用いて、双曲3次元多様体の幾何的ゼータ関数に関する特殊値の数論性を示した。 ・ある種のトーリック束の上で、アインシュタイン・ケーラー計量の存在問題について考察し、アインシュタイン・ケーラー計量が存在するための必要十分条件を提唱した。また、典型的な例においてその必要十分性を示すことができた。 ・3次元Euclid空間内の三重周期的極小曲面および3次元Euclid空間内の有限全曲率完備極小曲面について研究した。前者においてはその極限の構造を研究し、1990年代にMeeksによって構成された三重周期的極小曲面の変形族の極限として、2007年にRodriguezが構成した二重周期的極小曲面の変形族が現れることを示した。この結果はソフトマターで知られるところのラメラ構造の数学的記述と考えられ、今後も一つの課題となり得るものである。また、後者においてはエンドを2つ持ち、全曲率が最大となるような具体例を構成し、その曲面の対称性から一意性を示すことにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」において計画したプロジェクトの主要な研究成果は得られたので、その発信と今後の展望を与えることが目標である。
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Strategy for Future Research Activity |
このプロジェクトや関連する研究に関するセミナーや研究集会を開催する。
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Causes of Carryover |
次年度に研究交流を計画しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究打合せ及びセミナー、研究集会の開催を予定している。
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