2016 Fiscal Year Annual Research Report
Infinite product presentation of the Mumford form and special values of geometric zeta functions
Project/Area Number |
26400018
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
市川 尚志 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20201923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 泰宏 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90250662)
庄田 敏宏 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (10432957)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 数論幾何 / 代数曲線 / モジュライ空間 / Chern-Simons不変量 / Riemann-Roch同型 / ゼータ関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.代数曲線の数論的Mumford-Schottky一意化理論を用いて、Chern-Simons不変量の数論性を示した。その結果と数論幾何におけるArakelov理論、古典的Liouville場に関するZograf及びMcintyre-Takhtajanの理論を用いることにより、代数曲線のモジュライ空間上においてChern-Simons直線束を表す、Deligne-Riemann-Roch同型写像の具体的な無限積表示を与えた。またその応用として、Schottky群のRuelleゼータ関数の特殊値を周期積分と判別式の積で表し、このような幾何的なゼータ関数についてもDeligne予想の類似が成り立つことを示した。 2.偏極代数多様体の幾何学的不変式論の意味における安定性と定スカラー曲率Kaehler計量の存在とが同値になるという予想、いわゆる「偏極代数多様体に対する小林・Hitchin対応」を中心に研究し、特にEinstein-Kaehler Fano多様体を底空間とするいくつかの複素直線束達の直和のコンパクト化として得られるトーリック束で、ある種の条件を満たす空間について、Kaehler-Ricci ソリトンの存在問題を考察し、特別な場合として、底空間のEinstein-Kaehler Fano多様体が等質的であるときに、この予想の証明を与えた。 3.三重周期極小曲面の変形族を構成し、対応するRiemann面を崩壊させたときの振る舞いについて研究した。難解な箇所は、単なる変形族を構成するのではなく、Riemann面を崩壊させる段階まで三重周期極小曲面であることを保つような変形族を構成しなければならないことである。今回、4助変数によって定められる超楕円型Riemann面を設定して、そのAbel-Jacobi写像の実部を利用し、三重周期極小曲面の2助変数による変形族を構成した。
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