2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400054
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
チャン ティフン 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00649824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 直之 明治大学, 理工学部, 講師 (80440155)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 概ゴレンシュタイン環 / リース代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,高次元の概ゴレンシュタイン環論構築の一環として,リース代数の概ゴレンシュタイン性解析を主眼に研究を遂行した。今年度の補助金は主に,研究遂行上で必要不可欠な研究出張の費用に充てた。 概ゴレンシュタイン性研究は,最近研究代表者や研究分担者を含む研究グループにより発案され,現在発展中の分野である。特に,高次元の例の構成は急務であり,様々な方面から研究が行われている。本研究では,イデアルIに付随するリース代数R(I)について, (1) R(I) はいつ概ゴレンシュタイン次数環であるか? (2) R(I)の次数極大イデアルでの局所化はいつ概ゴレンシュタイン局所環であるか? を大きな問いとした。この問いに関しては,研究分担者 松岡直之は連携研究者 後藤四郎らとの共同研究により2編の論文を執筆し,内2編がすでに2016年度内に掲載決定している。残り1編は現在投稿中で,査読の結果待ちの状態である。1編目は巴系イデアルQとその礎石イデアルQ:mのリース代数がいつ概ゴレンシュタインとなるかを解析したものである。2編目では2次元正則局所環内の整閉イデアルのリース代数は常に概ゴレンシュタイン次数環であることを示した。一方で,2次元正則局所環内では整閉でなくてもそのリース代数が概ゴレンシュタインとなるようなイデアルは多数発見されているため,イデアルのいかなる性質がリース代数の概ゴレンシュタイン性を決定しているかについては目下研究が遂行中である。 前述の通り,研究内容は2016年度内に研究論文で公表される見込みであるが,計3回の国内学会発表と,計7回の国内外研究集会講演による公表もすでに行っている。本年度の研究費は,この研究発表に必要となる出張旅費を中心に使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は,概ゴレンシュタイン環論の構築と展開および,それを発展させた非ゴレンシュタイン環論の開発にある。当初の計画では1次元概ゴレンシュタイン環論の精査と発展を進めたのちに,j-係数の基礎理論構築を通して概ゴレンシュタイン環論の構築を遂行する見込みであったが,今年度はこの基軸から若干離れたテーマの研究を行っている。非ゴレンシュタイン環論の開発を目標とする点は一切変更はないが,概ゴレンシュタイン環の理論構築を進めていくにつれ,当初想定していなかった問いが多数発見されており,その解明に力を注いだ結果である。来年度への積み残しも多く,当初計画していた非ゴレンシュタイン環論の開発にまでは至らないと判断されるため,「やや遅れている」と自己評価を下した。ただし,多数の問題の発見は概ゴレンシュタイン環論の構築へ好影響を与えるものであり,研究成果は現時点で満足のいくものであると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も,本年度の研究の積み残しであるリース代数の概ゴレンシュタイン性解析を主眼に,以下の問いに関する研究を遂行する。 (1) R(I) はいつ概ゴレンシュタイン次数環であるか? (2) R(I)の次数極大イデアルでの局所化はいつ概ゴレンシュタイン局所環であるか? その動機のひとつはもちろん具体例の構築であるが,一方で,概ゴレンシュタインリース代数を指標とした局所環の分類も非常に興味深い問いと言える。即ち, (3) 概ゴレンシュタイン(局所/次数)環となるイデアルを含む局所環はいかなる性質を持つか? も併せて検討したい。本年度の結果を踏まえ,(1)と(2)に関する具体的な問いは(a) 2次元正則局所環内の制限イデアルのリース代数は概ゴレンシュタインか,(b) 高次元正則局所環内のイデアルはいつ概ゴレンシュタインか,(c) 2次元コーエン・マコーレイ環内のイデアルはいつ概ゴレンシュタインか,の3点である。申請書で計画していた課題「概ゴレンシュタイン環論を発展させた非ゴレンシュタイン環論の開発と構造解析」へ挑むことも念頭に置きながら研究を進めるが,本年度の積み残しが多く,到達は困難であると判断される。
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Causes of Carryover |
研究者を招聘し,専門知識の提供を受けることを予定していたが,双方のスケジュールが調整できず,実施できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者である松岡直之が11月に開催する第38回可換環論シンポジウムへ海外から研究者を招聘し,この機会に研究打合せを実施する計画である。
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Research Products
(3 results)