2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400055
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
西中 恒和 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (20278899)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 無限群の群環 / 原始性 / 半原始性 / 非ネーター群 |
Outline of Annual Research Achievements |
(研究の成果の具体的内容):本研究は、まず、群の非ネーター性に着目し、非ネーター群と群環の原始・半原始性の関係を明らかにすることである。また、群環のイデアルを評価するため、グラフ理論を用いた方法論を確立することでもある。 27年度研究計画は、26年度において、基本的になされていた群の融合積、HNN 拡大、1 関係子群の群環の原始性の証明を手がかりに、一般の非ネーター群の群環の原始性を明らかにすることであった。そのためには、主な方法論として確立してきているSR-グラフの理論を拡張する必要があった。27年6月に参加したアメリカでのカンファレンスで、グラフ理論の専門家がこの問題に興味を持ち、共同研究として、SR-グラフ理論を再構成、拡張することがでた。成果を28年1月に論文にまとめ投稿した。 (意義と重要性):半原始性及び原始性問題解決は、無限群の群環における中心課題の一つである。ネーター群の群環の原始性は、1970年代の後半に、Domanov, Farkas-Passsman, Roseblade の一連の研究により、polycyclic 群(代表的ネーター群)に対する群環の原始性問題の解決によりほぼ解決したと言える。一方、非ネーター群の群環の原始性は、Formanek による群の自由積に対する結果をはじめとして、Balogn による融合積、本研究代表者による昇鎖HNN拡大群、局所自由群に対する結果が徐々に得られてきたが、非ネーター群に対するより一般的な結果は与えられていない。本研究は、一般の非ネーター群に対する群環の原始性、半原始性の問題を解決しようとするものである。 そのために方法論として、グラフ理論を用いて、群環のイデアルの生成元を評価できるようにするためのSR-グラフ理論を構築しようとするものでもある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度研究計画は、26年度において、基本的になされていた群の融合積、HNN 拡大、1 関係子群の群環の原始性の証明を手がかりに、一般の非ネーター群の群環の原始性を明らかにすることであった。(有限生成)非ネーター群のほとんどの群は自由群の部分群を有している。そうないものは、free Burnside群以外ほとんど知られていない。自由群を部分群に持つ群に対して、当初の目的は、目的はほぼ達成された。また、グラフ理論の研究者, James Alexander との共同研究によりSR-グラフ理論の基礎を再構成することができた。結果は、共著論文として投稿した(査読審査中)。 また、上記方法論により、加算無限の局所自由群に対し与えられていた結果を任意の濃度の局所自由群の結果に拡張できた。この結果は、2016年1月開催のアメリカ数学会年会で以下発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策):まず、次年度(平成28年6月)にアメリカ(AZ)で開催されるカンファレンスで、非ネータ-群の群環へグラフ理論の適用について、成果発表を行う。群環の原始性の研究の出発点を築いた Formanek (PSU) を同カンファレンスに招待予定である。 次に、自由群を部分群に持たない非ネーター群の群環の問題に取り掛かる。これには SR-グラフ理論を更に発展させる必要がある。更に、自由群を部分群に持たない非ネーター群として free Burnside群に関する研究は不可欠である。そのため、グラフ理論の研究者や Burnside 群の研究者からの知識提供が不可欠となる。この理由から、「収支状況報告書」の「次年度使用額」が246,235円となっている。 次年度計画の実行のため、幅広い知識の提供を受けることが、必要性不可欠である。そのため、まずは、平成28年6月開催の米国(アリゾナ)での研究集会に参加・講演を行うとともに、この分野で業績を上げている研究者を招待し、打ち合わせ討論を行う。また、国内では、平成28年9月に大阪府立大学で開催される環論及び表現論シンポジュウムでは、運営委員として開催協力を行う。更に、29年2月に開催される、京都大学数理解析研究所での研究集会(RIMS)に、無限群の指導的業績を上げているアメリカ、ドイツの研究者達を招待し、講演と情報提供を依頼する。 (次年度の研究費の使用計画):平成28年6月に運営委員として開催を準備した米国での国際研究集会にて参加・成果発表、打ち合わせ旅費として300,000円を計上、開催協力費として300,000円を計上する。環論および表現論シンポ(28年9月開催)への開催協力費として100,000万円を計上、RIMS での講演者の招待のために 400,000円を計上する。 その他雑費として40,000円を計上する。
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Causes of Carryover |
平成28年6月開催の米国(アリゾナ)での研究集会にグラフ理論の研究者や Burnside 群の研究者を招待し知識提供を受ける必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度計画の実行のため、幅広い知識の提供を受けることが、必要性不可欠である。そのため、平成28年6月に運営委員として開催を準備した米国での国際研究集会にて参加・成果発表、打ち合わせ旅費として300,000円を計上、開催協力費として300,000円を計上する。更に、京都大学数理解析研究所(RIMS) での講演者の招待のために 400,000円を計上する。その他雑費として40,000円を計上する。また、環論および表現論シンポ(28年9月開催)への開催協力費として100,000万円を計上する。
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Research Products
(8 results)