2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study of solutions of systems of higher order partial differential equations by algebraic analysis methods and formula manipulation methods
Project/Area Number |
26400110
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 清臣 東京大学, 大学院数理科学研究科, 名誉教授 (60107688)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 蔵本予想 / 共鳴現象 / 非線形発展方程式 / 一般化固有値 / 解析性 / 分布関数 / ヒルベルト空間 / レゾルベント |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度であるが昨年から始めた連続無限個の振動子の同期現象の解明に関する千葉逸人准教授の論文の不備修正に関する研究を続けた.これは我々の結果が思いがけず京都大学の矢ヶ崎一幸教授を中心とする力学系の専門家グループ(千葉氏も含まれる)に強く興味を持っていただいたことから一刻も早く修正案を考えるべく研究を続けた.特に理論の根幹をなす方程式の線形化に現れるヒルベルト空間上の非有界作用素 T についての一般化固有関数展開を厳密に示す事を目指したがそのためには T の一般化固有値と言われる,複素数平面上の可算無限個の離散集合の漸近的な位置を原点からの距離に関して第2近似くらいまで正確に求める必要があった.振動子の周波数に関する初期分布がガウス分布の場合は昨年の研究で得たが指数の肩に有理式がかかるような解析的分布関数の場合にも適用できるように手法を一般化し,実際指数の肩に4次の多項式がかかる場合に一般化固有値の2次までの漸近展開を求めることに成功した.これには本研究資金で購入した高性能パソコンと数式処理及び数値計算プラグラムが大変役立った.一方これらの結果を使って T の一般化固有関数展開を厳密に証明するべく奮闘していたが年度末ギリギリになってそもそも一般化固有関数展開自体が収束和としては成立しないらしいことがわかり,千葉理論の根本的な修正が必要なことがわかった.同時に,重要なのは純虚軸付近の一般化固有値だけであり,そのための解析的初期分布の条件を,実軸のある形の複素近傍における増大度として与える事に成功した.またその条件下で一般化固有関数展開の代わりとなる固有値部分と一般化固有値部分への分解定理を得た.一般化固有値部分は可算和ではなくレゾルベントに関する無限積分の形でひとまとめにすることによって収束の問題を解決し同時に時間に関する指数減少性との関連を明らかにした.
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