2016 Fiscal Year Annual Research Report
The theory of osicllatory integral operartors and its application to the Feynman path integral of quntum field theory
Project/Area Number |
26400161
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 弥 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80144690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 格 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (50558161)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Feynman経路積分 / Dirac方程式 / Schroedinger方程式 / 量子力学 / 量子電磁気学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、Feynman経路積分の数学的構成およびその性質を研究することであった。特に相対論的量子電磁気学がその対象であった。3年間の研究により、相対論的粒子の運動を記述するDirac方程式と、非相対論的粒子の運動を記述するSchroedinger方程式について以下の成果を得た。 1. 過去と未来を行き交う経路空間上のFeynman経路積分の数学的構成を、Dirac方程式に対して行うことに成功した。これにより、 Feynmanがノーベル賞講演でその期待を述べていた、経路積分による反粒子の描像の導入が可能になった。2. 上記1の結果の拡張を行い、過去にも未来にも可算無限回行き交う経路空間上の、Feynman経路積分の数学的構成を行うことに成功した。これにより、経路積分において、同時間に可算無限個の粒子、反粒子を導入することに成功した。更に、偏微分方程式論により、Dirac方程式の解がユニタリー性・因果性を持つことが示されている。我々はFeynman経路積分を用いて、これらの結果の別証明を与えることに成功した。3. 上記の経路積分について、その相対論的不変性を示した。即ち、Lorentz変換に対するspinor性を、経路積分が持つことを示した。4. 時間に依存し空間方向に多項式オーダーで増大するポテンシャルを持つ、Schroedinger方程式に対する、解の存在とその一意性を、重み付きSobolev空間において示した。時間に依存するポテンシャルを持つSchroedinger方程式の研究は、現在困難な問題の一つである。5. 時間に依存し空間方向に多項式オーダーで増大するポテンシャルを持つ、Schroedinger方程式に対する、Feynman経路積分の構成に成功した。空間方向に多項式オーダーで増大するポテンシャルを持つ問題は、最も困難な問題として長い間未解決であった。
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