2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26400403
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松川 宏 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20192750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 岳人 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10451874)
大槻 道夫 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 講師 (30456751)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 摩擦 / 真実接触点 / 真実接触面積 / 摩擦の法則 / 地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究目的の概要はいかの通りである。 摩擦は最も身近な物理現象の1つであり実用上も極めて重要であるため古くから調べられてきたが,多くの基本的な問題が未解決である。本研究は,解析計算,数値シミュレーション,実験を合わせて行い,現代物質科学・技術の成果をもとに新しい視点から,様々な分野における多様な系・スケールの摩擦機構の研究を有機的に繋げる。そして,原子・分子スケールからマクロスケールにわたる現象の階層性を正しく取り込み,様々な系における摩擦の普遍性と多様性の機構を明かにし,摩擦の基礎的・統一的描像を確立することを目標とする。さらに,その成果を工学上の問題に展開する。 この目的に即して研究実績の概要を以下に記す。 1) ナノメートルスケールの単一真実接触点の振る舞い、およびそこでの摩擦の法則を数値実験により明らかにすることに成功した。 2) 上記の単一真実接触点の摩擦の法則は巨視的スケールで成り立つ摩擦法則とは異なる。メゾスケールの多くの真実接触点からなる系の摩擦法則を、極めて一般的に導出し、それがよく知られた巨視的な系の摩擦法則であるアモントンークーロンの法則と一致することを示した。 3)しかし、巨視的な系では必然的に生じる圧力などの空間的不均一性などから、アモントンークーロンの法則は破れる場合があることを先に示していた。これらの研究により原子分子スケールからメゾスケール、さらには巨視的スケールの摩擦の研究をつなげ、摩擦の法則はスケールに依存することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように研究目的はおおむね達成されつつある。 しかし、より詳細な研究が必要な部分もあり、また、介在物のある摩擦、地震の研究などは現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
原子分子スケールからメゾスケール、さらには巨視的スケールの摩擦の研究をつなげることをより詳細に行う。さらに介在物のある摩擦、地震の研究、固体内摩擦現象の研究を進める。
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Causes of Carryover |
今年度、アメリカで行われるGordon Research Conference on Tribology に参加予定であること、研究実験補助員を雇用しての実験を計画していることなどのため予算を確保する必要があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アメリカで行われるGordon Research Conference on Tribologyの出張旅費、登録費、研究実験補助員の雇用費用。
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[Presentation] バイオリンと摩擦2016
Author(s)
松川宏
Organizer
統計物理の新展開2016
Place of Presentation
大阪大学中之島センター
Year and Date
2016-03-25 – 2016-03-26
Invited
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