2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Soft Materials Utilizing Charge-Assisted Hydrogen Bonding between Amidines and Oxo Acids
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26410102
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
古荘 義雄 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00281270)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電荷支援型水素結合 / アミジン / グアニジン / オキソ酸 / 超分子ポリマーゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「電荷支援型水素結合」と呼ばれる極めて強い非共有結合的相互作用を駆使して、主として超分子化学的なアプローチにより、2~3次元の有機分子の集積体を構築し、さらに実用材料を目指したマクロ構造を自在に創成する方法論を開拓することを目的としている。本研究は、これまで共有結合や通常の水素結合が担ってきた役割を、この電荷支援型水素結合で置き換えて、その強い結合力と可逆性を活かした新規材料創成のための新しい指導原理の開拓を目指すものである。 本年度は、「アミジン基をもつポリマーとカルボキシル基をもつポリマーを混合することで得られる超分子ポリマーゲル」の特性についてさらに詳細に検討した。アミジンポリマーとしては昨年度までと同じ「主鎖にアミジン構造をもつポリマー」を使用し、カルボン酸ポリマーとしては分子量の揃った両末端にカルボキシル基をもつポリアクリル酸ブチルをRAFT法により合成した。両者をメタノール中で混合することにより得られる超分子ポリマーゲルは、アミジン基とカルボキシル基間の電荷支援型水素結合により架橋された三次元ネットワーク構造をもっていることが赤外吸収スペクトルなどにより確かめられた。小角X線散乱解析から、この超分子ポリマーはポリブタジエンを母体とする超分子ポリマーゲルの場合と違って、ナノ相分離構造を形成していないことがわかった。これはポリブタジエンに比べてポリアクリル酸ブチルは極性が高く、アミジンポリマーとの相溶性が高いためであると考えられる。また、低温では流動性をほとんど示さず、動的粘弾性解析から-5 °CではG’が1 MPaに達することがわかった。昨年度までのポリブタジエンベースの超分子ポリマーゲルの場合と同様に、温度変化などの外部刺激に応答して動的粘弾性が可逆的に著しく変化することも分かった。
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Research Products
(4 results)