2014 Fiscal Year Research-status Report
中高温動作燃料電池の高性能化に資する新規イオン液体型アニオンポリマーの開発
Project/Area Number |
26410229
|
Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
森永 隆志 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, その他 (30467435)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | イオン液体 / リビングラジカル重合 |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン液体を用いた電気化学デバイスが実用的な性能を発揮するために、その独特の発電メカニズムに適合した電池材料の開発が待たれている。このような要請に応えるべく、申請者は従来のイオン液体型カチオンポリマーとは異なり、移動性の遊離カチオンが発電キャリアとなるように設計されたイオン液体型アニオンポリマーを新規に合成し、それを用いたイオン液体系電気化学デバイスの用途に特化した電池材料の創製を行う。これを電池設計に組み込むことで、イオン液体系電気化学デバイス共通の問題点ある電解質-電極界面の構築が可能となり、中高温動作燃料電池ならびに全固体リチウムイオン電池の高性能化・実用化へと繋がるものである。 今年度は、イオン液体型アニオンモノマーの合成を行った。具体的には、アミノ基を有するメタクリレート化合物を出発物質としてトリフルオロメチルスルホン化を行うことで、前駆体となるアニオンモノマーを合成し、還元条件下でのイオン交換反応を経て、遊離プロトン性カチオンを担持するイオン液体型アニオンモノマーの合成に成功した。このモノマーのラジカル重合を経て生成する、イオン液体型アニオンポリマーを耐熱性アイオノマーとして用いることで中高温領域においても電解質-電極界面の精密設計が可能となり、耐熱性に優れるイオン液体系電池材料においてのみ可能な150℃以上においても安定して高性能を発揮する中高温・無加湿駆動PEFCの創製が期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は当初の目的どおりに、イオン液体型アニオンモノマーの合成を達成した。収率、収量ともに大量合成が可能な工程であり、リビングラジカル重合特性の検討と電池材料への検討に十分に耐えうるものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
プロトン性イオン液体型アニオンモノマーの合成過程で得られた、リチウム塩型前駆体から派生して、グライム系リチウム錯体を遊離カチオンとして担持したイオン液体型アニオンモノマーの合成を行う。さらに、これらのイオン液体型アニオンモノマーのリビングラジカル重合特性とイオン液体型アニオンポリマーの分子量評価法などの確立にも着手する。
|
Causes of Carryover |
試薬・物品類の効率的な仕入れと実験方法の工夫、一部実験器具の自作により、研究にかかる費用を当初より軽減することが出来たため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験データの精度をさらに向上させるため、ゲル透過クロマトグラフィーの分析カラムを追加で購入することを検討している。
|
Research Products
(3 results)