2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the Raman scattering spectroscopy system using quadruple ellipsoidal mirrors
Project/Area Number |
26420004
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山口 誠 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (90329863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川手 悦男 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80344216) [Withdrawn]
相浦 義弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80356328)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ラマン散乱 / 全反射 / 楕円面鏡 / 加工変質層 / 分光分析 / 材料評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な機能性を付与するための製膜技術の発展に伴い,極表面層の評価が課題としてあげられる.ラマン分光法は非破壊・非接触・大気中で測定可能という利点を有することから注目されているが,吸収係数の小さな試料ではラマン励起光が試料内部まで侵入することから表面層のみからの信号を得ることが困難であり,このことが課題となっている.ラマン分光法による深さ方向の情報を選択できる評価法の確立を目指した. 本研究ではエバネッセント波の染み出しを利用した極表面層部のラマンスペクトルを測定する全反射法に着目し,複数の回転楕円面鏡からなる入射・集光光学系により入射角度連続可変で全散乱角度同時計測可能な光学システムの構築を行った.従来の全反射ラマン散乱分光光学系は,励起光の入射角と,観測するラマン散乱光の散乱角を任意に選択し,測定点ごとに光源と検出器をそれぞれ空間中で動かす複雑な光学系であるため光軸がずれ易い等の課題があった.そこで,従来の全反射ラマン散乱光学系の問題点を解決するため,複数の回転楕円面鏡を用いた全反射ラマン散乱光学系の開発を試み,検証した. 回転楕円面鏡ラマン散乱光学システムは,4つの回転楕円鏡の長軸を同一直線上に直列に並べ,隣り合う楕円面が焦点を共有するように配置し,同一線上に5つの焦点が存在し,光は全ての焦点を通過する.システム検証のために,ラマン散乱スペクトルおよびフォトルミネッセンススペクトルが既知の試料を用いて測定を行った.測定具体的な測定条件として,励起波長532 nm,照射パワーは50 mW,露光時間は60 s,入射角度を45°での,単結晶ダイヤモンドのラマン散乱測定,およびルビーの発光測定を行った.ダイヤモンドの一次フォノンラマン散乱光,ルビーのR線発光ともに明確に観測することができた.
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