2015 Fiscal Year Research-status Report
非アンモニア雰囲気で合成する炭素フリー非白金触媒の開発
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26420132
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
千坂 光陽 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (20513310)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化物触媒 / 固体高分子形燃料電池 / カソード |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は研究計画を一部前倒しして、下記二項目を実施し全酸化物触媒の合成・評価を進めた。 (1)炭素担体を利用した酸化チタン触媒合成法の最適化 アンモニアガス窒化法に依存しない酸化チタン触媒への窒素置換導入法として、前年度に簡易燃焼合成法を確立した。本合成法を用い、窒素源の触媒に対する質量比、合成温度、合成時間が触媒性能に与える影響を系統的に評価し、最適条件とルチル型酸化チタン触媒の活性点を見出した。本研究成果は、Journal of Materials Chemistry A誌に採択され、第4巻7号のBack coverを飾った。 (2)導電性酸化物Ti4O7を利用した酸化チタン触媒の簡易燃焼合成と評価 Ti4O7ファイバ表面に、(1)で得られた条件で触媒を担持し、各種評価を実施した。炭素担体を用いない全酸化物系触媒として、初めて市販白金担持カーボン触媒と同等の限界電流密度が硫酸溶液中で得られた。他の研究機関で合成されている全酸化物触媒と比較して桁違いの値であり、炭素担体を利用する触媒をも大幅に上回る半波電位(白金触媒の8割超)が得られていることから、次年度に予定していた発電実験を前倒しして実施した。チタン源・窒素源についても計画通り探索し以下の知見を得た。①当初利用していた四フッ化チタン以外のチタン原を用いても同等レベルの性能が得られる②絶縁体に近い触媒を評価するには炭素成分が残るもののL(+)-リシンが有効である一方、活性向上には尿素が適する
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を一部前倒しして実施しており、概ね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
触媒性能最大化のため、研究計画にない熱処理前の原料調製条件と熱処理時の雰囲気最適化を、追加項目として実施する。
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Causes of Carryover |
残額は少額であり、無理をして使い切るよりは 次年度に繰り越して利用する方が良いと判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
触媒合成実験費用や成果発信を目的とした対外発表のための学会参加旅費に、使用する。
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Research Products
(6 results)