2015 Fiscal Year Research-status Report
H無限大制御による風力発電機の軸ねじれトルクの抑制制御
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26420241
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
千住 智信 琉球大学, 工学部, 教授 (40206660)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 風力発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
強風時においても風車が回転することで発電可能な風力発電機の制御方法を開発し、台風常襲地域においても風力発電機の発電電力を大幅に増加することができる可能性を示した。開発した風車制御法は、強風時において発電出力を低下すると共に発電電力を低下できるため、カットアウト付近における風速においても安全に発電可能である。 本研究で対象としている風車の定格と形状は、数MWの横軸型大型風力発電機と数kWの垂直軸型小型風力発電機であるが、両者の風力発電機においても同様に高風速環境において発電機出力と回転数を制御し、安全に風力発電機を運転することをシミュレーションにおいて示している。 風力発電機をカットアウト風速以上においても有効に利用できる事は、強風時の風力発電機の電力系統からの離脱を防止することが可能なため、安定な電力供給に資する事ができると共に、風力発電機の稼働率を大幅に向上する事ができる。このため、売電電力の増加と原価償却期間の短縮にも大いに効果を発揮することができるため、風力発電機導入の経済的なインセンティブが働くことから、今後の再生可能エネルギー普及に伴う二酸化炭素排出量の大幅抑制による地球温暖化抑止に大いに貢献できる。 風力発電機の軸ねじれ振動の抑制に関しては、H無限大制御を適用することにより、パラメータ変動等に対してもロバストな制御方法を開発できた。さらに、パラメータの測定誤差や風車ブレードへの着氷等の影響により風車パラメータが変化した場合においても効果的に風車軸の軸ねじれ現象を短時間で抑制可能であることをシミュレーションにおいて確認した。 風力発電機の軸ねじれ振動を大幅に抑制可能であるため、突風等により発生する軸ねじれ振動を短時間で抑制可能であり、風車軸の軸破断を防止可能であることから、風車稼働率改善にも大いに資する事ができる技術である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H無限大制御理論を風力発電機の軸ねじれ抑制制御に適用し、シミュレーションにおいて提案制御方法の有効性を確認した。また、水平軸型風力発電機ならびに垂直軸型風力発電機において強風状況においても発電動作を継続するための風車運転方法を検討し、機械的なブレーキ等を用いずに強風時においても安定した発電を継続できることをシミュレーションにより示す事ができたので本年度の研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
簡易な実験装置を構成することにより、実験的に軸ねじれ抑制効果を検証する事が今後の検討事項である。また、垂直軸型小型風力発電機を設置し、長期の観測を経て提案制御手法の強風時における有効性を検証することも今後の課題である。 提案した制御方法を国際学術雑誌ならびに国際会議等において発表し、提案した制御技術の普及により再生可能エネルギーの普及拡大に貢献する。
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Research Products
(2 results)