2015 Fiscal Year Research-status Report
太陽光発電システムのためのパネルのホットスポット簡易診断システムの研究
Project/Area Number |
26420253
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
板子 一隆 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (10232381)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 太陽電池モジュール / ホットスポット / 簡易診断システム / O&M |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は小型パネル1枚でのホットスポット検出の簡易システムを構築した.平成27年度はまず,任意のパネルの形状とセル配置に対応した影を付加するためのアニメーションソフトを開発した.次に大型プロジェクタの設置台(移動型)を製作した.また,異常判定されたセルの発熱の確認を行った.さらに,このシステムでストリング構成でも原理的にホットスポット検出が可能であることを検証した(平成27年度電気学会電力エネルギー部門大会).しかし,ストリングに投影する影パターンは大型になり,太陽電池とプロジェクタの距離を離す必要があるため照度が低下して太陽電池の出力電流から正常セルと異常セルを判別する本方式(電流型)ではその判別が困難になることが明らかとなった.そこで,新たに太陽電池の出力電圧から異常セルと正常セルを判別する方式(電圧型)を開発した(特願2015-186766).この方式は原理的に低照度でも精度良く判別できる.まず,小型パネル1枚に対して新しい電圧型方式を適用した場合に電流型と同じようにホットスポットセル(欠陥セル)を検出出来ることを示した(平成27年度電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会).また,ストリング構成されたモジュールに新しい電圧型方式を適用した場合に,低照度時においても精度良く欠陥セルを検出することが可能であることを明らかにした(‘15th SAS Intelligent Symposium 2015). これらの検討により,当初の目的である大型システムにおけるホットスポットセルの検出の実現に向けて一歩近づいたと言える.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実績欄で示したように平成27年度の予定した次の課題,①パネルの形状とセル配置に対応した影を付加するためのアニメーションの製作を行った.②プロジェクタの設置台(移動型)を製作した.③パネルにおける赤外線カメラでのホットスポット発生セルのチェックを行い,④本診断方式による異常セルと赤外線カメラによる発熱が一致することを確認した. また,大型プロジェクタの設置台(移動型)を製作した.室内においてストリング構成したモジュール群で検査可能であることを実証した. 以上より,達成度としてはおおむね順調に進展していると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度では、室内におけるセルの形状とセル配置に対応した影を付加するアニメーションを製作した.本年度は、10°~30°の傾斜を持つ実際に置かれた太陽電池モジュール群に対応したアニメーションを製作する.計測システムとプロジェクタの投影システムの通信システムの検討を行う.プロジェクタの専用台の拡張が必要であれば製作する.構築したシステムを用いて室外に置かれた大型太陽電池モジュール群のホットスポット検出の実験を行い、本システムの有効性を実証する.
|
Causes of Carryover |
主として、国際学会への参加を見送ったことや論文投稿料がかからなかったことなどのため、次年度使用額が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、海外での成果発表やジャーナルへの投稿を行う予定のため、これらに充当して使用する予定である.
|