2015 Fiscal Year Research-status Report
多量の太陽光発電が導入された配電系統における需要家自律EMSの研究
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26420430
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
高木 康夫 大同大学, 工学部, 教授 (70578658)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | HEMS / BEMS / エネルギー見える化 / 家電 / ビル空調 / 動特性モデル / 高速制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)(HEMS技術) 昨年度に引き続き、連続Wavelet変換を用いた非ネットワーク対応家電の認識技術の改良を行った。特に、今年度は電流実効値を考慮して、家電認識精度を向上させるとともに電力の推定も行うようにした。この結果、昨年度認識可能となっていたTV、電気ポット、電子レンジ、冷蔵庫のほか、エアコンでも可能となり、電流波形の一定しない洗濯機や食洗器を除いて、ほとんど100%の認識率となった。従来行われているFFTなどとは異なり、極めて安定した学習のいらいないシステムとなった。 (2)(BEMS技術) ビルの放熱性能を短時間に測定するための、熱貫流率計測方法を確立した。サーモグラフィーによりビル壁温度を測定する。これと自然対流熱伝達理論を組み合わせて壁の熱貫流率を推定する。さらに、実験によりこれらの理論推定と実験データの比較を行い、相関関係を得た。これにより、ビルの熱貫流率の簡易推定が可能となった。先年度に開発したビルエネルギーモデルと合わせ、ビルのエネルギー特性把握技術を確立した。 (3)(電力系統の制御) 太陽光発電が多量に導入された配電系統の需給を制御するためには、需要家EMSと並んで電源の高速制御も必要である。そこで、揚水発電の可変速化と可変速揚水発電の高速需給制御を研究した。特に、巻線型発電機のモデル化とそのPI制御の設計法を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)計画通り、リアルタイムに家電の種別推定および電力推定を行うHEMSを構築しつつある。認識の範囲が着実に広がっている。 (2)BEMSにおいて、ビルのエネルギー特性を把握する技術が確立できた。当初の計画以上の成果である。 (3)超高速電力調整アルゴリズムとして、巻線型発電機・誘導機の超高速制御アルゴリズムを開発している。一次簡易アルゴリズムをPI制御で試作した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)HEMS技術に関しては、確立しつつある非ネットワーク家電対応のHEMSアルゴリズムを完成させる。特に、複数の家電の同時認識、残されたスケジュール家電の認識を完成させる。 (2)BEMS技術に関しては、デマンドレスポンスの機能とビルの快適性を両立させた自立型制御に昇華させる。 (3)高速電力系統制御に関しては、巻線型誘導機・発電機の高速制御方法を確立・実証する。
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Causes of Carryover |
高速電力制御の実証試験装置の立ち上げが遅れたので、その試験装置に付随する系統連系装置に要するはずであった物品費を支出しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高速電力制御の実証装置は立ち上がったので、平成28年度早々に系統連系装置等を購入し、高速制御の実証試験を行う。
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Research Products
(3 results)