2014 Fiscal Year Research-status Report
ASR劣化したプレテンションPC部材に対する劣化診断の高度化に関する研究
Project/Area Number |
26420439
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
富山 潤 琉球大学, 工学部, 准教授 (20325830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 善司 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (50324108)
浅井 光輝 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90411230)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アルカリシリカ反応 / プレテンションPC部材 / 劣化診断 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ASR劣化したプレテンションPC構造に着目し,3段階の研究テーマを掲げ,高精度な診断技術の確立を目指す.まず第1段階として,物質移動・化学反応・吸水膨張・ひび割れ発生を表現可能な解析手法の開発(コンクリートの材料劣化の予測).第2段階として,ひび割れが生じたコンクリートとPC鋼より線の付着強度の低下に関する構成モデルの作成(付着性能低下の予測).第3段階として,ASR劣化を模擬した(あるいは生じさせた)プレテンションPC桁を作製し,耐荷性能評価(劣化度の異なる試験桁を対象とした耐荷性能評価)を実施する.最終的にそれらを総括し,ASR劣化を表現可能な3次元数値解析手法の開発あるいは既存の数値解析手法(有限要素法など)の高度化を検討することを目的に行っている. 平成26年度は,研究分担者である九州大学浅井准教授の開発した数値解析手法(損傷力学モデルの概念を導入したボクセル有限要素法)をベースに本手法の妥当性と数値解析に用いるパラメータの決定に必要な実験の実施を行い,本手法の高度化を行う.解析結果からコンクリート内部のひび割れ分布が得られるため,その分布を均質化法の入力データとすることで,コンクリート材料(ヤング係数,強度低下など)の劣化予測の高度化を目標に行った. 実績としては,数値解析手法について,膨張モデルの高度化および損傷を考慮したイオン拡散係数の高度化を行った.さらに,数値解析に用いるパラメータの決定を目的に,沖縄県本部から排出される反応性骨材(ヒン岩)を粗骨材に採用した膨張試験を実施した.その結果,粗骨材を反応性骨材のみとしたことにより,大きな膨張は示さず,数値解析のパラメータの決定にまで至っていない.今年度も継続して実験を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の実績としては,数値解析手法について,膨張モデルの高度化および損傷を考慮したイオン拡散係数の高度化を行った.さらに,数値解析に用いるパラメータの決定を目的に,沖縄県本部から排出される反応性骨材(ヒン岩)を粗骨材に採用した膨張試験を実施した.その結果,粗骨材を反応性骨材のみとしたことにより,予想以上にアルカリ消費量が多く,試験に用いたアルカリ供給量が不足し,大きな膨張は示していない.このため,数値解析に用いるパラメータの決定にまで至っていない.今年度も継続して実験を行い,数値解析に必要なパラメータの特定を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,ASR劣化したコンクリートとPC鋼より線の付着性能評価に関する実験を行い,付着モデル(構成モデル)を提案する.なお,ASR劣化は粗骨材起因と細骨材起因でひび割れの生じ方が異なることが考えられるため,粗骨材,細骨材それぞれに起因した試験体を用意する.実験は,劣化度の異なる数ケースの試験体に対し実施し,数値解析に適用可能な構成モデルを提案する. また,前年度の達成状況より,上記に示したように前年度からの実験も継続して行う.
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Causes of Carryover |
当初コンクリート試験体作製用に材料費を計上していたが,セメントおよび反応性骨材ともに琉球セメント(株)に無償提供頂いたため,当初計画と異なった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,平成26年度からの継続試験に加え,繰り越しの予算を用いて同様の試験を追加で行う予定である.また,平成27年度予定の試験のための計測機器も購入可能であれば,検討したい.
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Research Products
(2 results)