2014 Fiscal Year Research-status Report
膜細孔内吸着物質の直接測定に基づくMBR用膜素材と親水化コーティング処理の評価
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26420535
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
長岡 裕 東京都市大学, 工学部, 教授 (90207986)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膜分離活性汚泥法 / MBR / ファウリング / 親水性ポリマー / MPC |
Outline of Annual Research Achievements |
MBRにおける膜ファウリング抑制策として膜にポリマー加工を施す方法に注目した.親水性及びタンパク質吸着抑制効果を持つMPCをPVDF膜に加工をすることによって浸漬型膜分離活性汚泥法により長期運転を行うことで膜ファウリング抑制効果について検討した.本研究ではPVDF膜にMPCポリマーよりも安価かつ類似した性質を持つPVAとMPCポリマーの混合ポリマー加工膜を作製した.その混合ポリマー加工膜と未加工膜のPVDF膜を浸漬型膜分離活性汚泥法により長期運転を行い,膜ファウリングを起こすまでの運転日数,親水性,DOC,E260から混合ポリマー加工膜におけるろ過性能の効果について検討した.それによりMPC加工膜がタンパク質などの膜ファウリング物質を透過することにより膜ファウリングを抑制できることが示唆された.具体的には、以下の成果を得た。 1.膜の親水性が高いほど処理水中の有機物濃度が低くなることが示唆された. 2.各ポリマー加工膜の運転日数の平均値をPVDF膜の運転日数の平均値で除したものと薬液洗浄後各ポリマー加工膜のDOC除去率をPVDF膜のDOC除去率で除したものとの関係より、薬液洗浄後の処理水中DOC除去率の低下とともに運転日数が増加する傾向が確認できた. 3.各ポリマー加工膜の運転日数の平均値をPVDF膜の運転日数の平均値で除したものと薬液洗浄後各ポリマー加工膜の処理水のE260平均値をPVDF膜のE260平均値で除したものの関係より、MPC加工100膜において薬液洗浄後の処理水中E260の低下とともに運転持続日数が増加する傾向が確認できた.また、PVAを含むポリマー加工膜も薬液洗浄後の処理水中E260の低下とともに運転日数が増加する傾向が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MPCおよびPVAのポリマーによってコーティングしたPVDF膜の作成手法を確立し、コーティングの効果を確かめるためのMBR実験装置の作成をおこなった。また、実際に長期間の実験を実施し、ポリマーコーティングがファウリング抑制の効果があること、その理由が、コーティングによって膜へのファウリング物質の吸着を抑えることによることを確認することができ、ポリマーコーティングによる浸水化処理の効果のメカニズムを明確にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
MPCポリマーによる膜コーティングがMBRにおけるファウリング制御に有効であることがわかったが、実用的には、塩素による膜洗浄によるコーティング効果の持続性の問題、MPC以外のポリマー、具体的にはPEGポリマーによっても同様のファウリング制御性があるかどうかの確認、一度使用した膜を再度コーティングすることによって、同様にファウリング制御が可能かどうかの確認など、主に実用面を視野に入れて、さらに検討を加える。
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Causes of Carryover |
参加予定の学会出席を取りやめたために残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度学会発表旅費として支出する
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