2016 Fiscal Year Research-status Report
地方都市のリバース・スプロールに向けた低未利用地の成熟化と創造的再編に関する研究
Project/Area Number |
26420604
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
原田 陽子 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (00377475)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 都市縮退期 / 既存市街地 / 既存住宅地 / 居住地更新実態 / 新規流入者 / 土地利用特性 / 地権者意向 / 低未利用地 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度は福井市市街化区域内を対象として、「まちなか地区」と開発から30年以上経つ「既存住宅地」を対象に、居住地更新実態と新規流入者の流入特性を明らかにし、都市縮退期における既存市街地の住環境としての更新可能性を考察すると共に、福井市内の市街化区域で、立地など条件の異なる複数の地区を対象に、各地区の土地利用特性と地権者の土地活用に関する意識を把握し、都市縮退期における低未利用地活用による既存市街地の住環境としての更新可能性について調査を行った。 以上のH28年度の調査結果から、今後の都市縮退期において、「まちなか地区」の低未利用地や中古物件を新規流入者の居住地として、その利用を促すことが重要であり、また「既存住宅地」では、鉄道駅に近い地区から優先的に住環境の質を高める整備をしたり、歴史や景観・まちなみ、地域資源となる空間や機能を活かすなどして、地区ごとに多様性や特徴を持たせ、買い物や病院などの利便性以外の地区の魅力を高めることが重要であることが明らかになった。 また低未利用地の地権者は子供や孫に相続する意向が強く、収入が見込め土地転用のし易い駐車場として暫定的に利用し、現状には概ね満足している人が多く、今後も駐車場としての活用ニーズがあることが明らかになった。また、地権者が住宅建設まではしたくない場合等には、菜園や庭として貸し出すなど、駐車場以外の暫定的な住環境の向上に繋がるオープンスペースの活用方法を広げ、それに対する支援策を考えることも重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のH28年度の研究について、予定していた調査を概ね遂行することができ、有益な知見が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるH29年度では、これまでの調査結果を生かしつつ、さらに発展的な調査を行い、都市縮退期における地方都市のリバーススプロールに向けた低未利用地の創造性と成熟化に向けた考察を深める。
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Causes of Carryover |
H28年度は、7月末まで、一時、研究を中断していたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
日本学術振興会から、補助事業期間の延長が承認されたため、H29年度は、H28年度までの研究成果を生かしつつ、さらに発展させていきたいと考えている。
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