2015 Fiscal Year Research-status Report
東北地方に現存する野外舞台建築・芝居小屋の活用実態と地域における役割に関する研究
Project/Area Number |
26420621
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
浦部 智義 日本大学, 工学部, 准教授 (10409039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 大洋 仙台高等専門学校, その他部局等, 教授 (70282118)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東北地方 / 福島県 / 地歌舞伎 / 芝居小屋 / 舞台建築 / 地域における役割 / 地域資源 / 運営 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東北6県を対象として、地歌舞伎を行う舞台建築や芝居小屋といった伝統的舞台建築やそこで行われている芸能、また地域住民とそれらの建築との関わりも含めた実態を明らかにし、ハード・ソフト両面から伝統的舞台建築の地域資源としての役割・あり方を明らかにすることを目的としている。本年度は、前年度に引き続き文献調査並びに現地調査に加え、各自治体の教育委員会等へのアンケート調査も行い、東北6県に現存し地域と広くかかわりを持つ地歌舞伎を行う舞台建築や芝居小屋を中心に、比較対象としての能楽も含めて、それらの所在と活動内容が概ね把握できた。 さらに、本年度は東北6県の中でも、特に研究代表者の拠点がある福島県内の現存する地歌舞伎並びにそれを行う舞台に関して、昨年度行った建築の実測調査や運営・保存団体へのヒアリング調査データを詳細に分析し、建築(ハード)や運営(ソフト)に関して、その変遷も踏まえて、従来十分に認識されていなかった実態を明らかにした。 また、それらの地域における役割については、まず先行して東北6県の主要な芝居小屋に関して、それらが存在する地域住民を対象として当該建物に対する様々な意識調査を行い、詳細に分析する準備が整った。 なお、地歌舞伎を行う舞台建築や芝居小屋における公演の有無や公演時の観客の意識調査に関しては、主要な舞台建築や芝居小屋における公演についてビデオ等による記録調査を行って、公演時の調査方法の具体的検討に入る準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北6県の主たる地歌舞伎が行われている舞台建築や芝居小屋の整理と、特に福島県内における前者の、ハード・ソフト面の調査分析は十分に出来ている。それと比較すると、当該建築の地域における役割や公演時の調査分析の進度は少し遅いが、東北6県における分布等は把握できたことから、典型的かつ主要なものに絞って行うことで当初の研究目的は概ね達成できる。なお、能楽は事例数が少ないこともあり、地歌舞伎が行われている舞台建築や芝居小屋の比較対象として、余力に応じて調査分析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、先行して地歌舞伎が行われている舞台に関して建築(ハード)や運営(ソフト)の分析を行った福島県に関しては、芝居小屋についても同様の分析を行うと共に、それらの内で典型的かつ主要なものに絞りながら当該建築の地域における役割や公演時の調査分析を行うこととする。 また、その福島県における分析結果と、東北6県の地歌舞伎が行われている舞台建築や芝居小屋の内容を鑑みながら、福島県外で調査分析を行うべき対象を絞り、地域における役割や公演時の調査分析を行うこととする。 それらを合わせて考察することで、ハード・ソフト両面から伝統的舞台建築の地域資源としての役割・あり方を明らかにするという、当初の目的を達成する。なお、能楽は事例数が少ないこともあり、地歌舞伎が行われている舞台建築や芝居小屋の比較対象として、余力に応じて調査分析を行うこととする。
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Causes of Carryover |
芝居小屋において先行して行った地域における役割に関する調査研究において、地域住民へ配布する調査票数が想定より多く印刷トナー代金や郵便代金等が予想より高額になったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度までに東北6県における地歌舞伎を行う舞台建築や芝居小屋の分布や概要が把握できたことから、その地域住民へ配布する調査を、主要かつ典型的なに絞って行うこととし、効率的に住民意識調査票や公演時調査を行うこととする。
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