2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the gradual function cooperation and hierarchy of the place in public and academic libraries
Project/Area Number |
26420628
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
中井 孝幸 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10252339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 公共図書館 / 大学図書館 / 機能 / 複合 / 使い分け / 段階性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、にぎわいの創出を期待した図書館を含む複合施設の整備が、全国各地で進められている。そこで図書館を含む複合施設を対象に、図書館や他の施設、共用部の利用状況から利用者属性別に施設内での居場所や利用行動を整理し、「場」として施設に求められる図書館像を明らかにする。アンケート調査と巡回プロット調査を行った結果、図書館を使わない利用者は約15%、図書館と他の施設を利用するついで利用者は15~20%となった。図書館のある複合施設では約80%の利用者が図書館を利用し、ついで利用者は約20%と図書館利用者が大半を占めていた。壁などで各機能が仕切られていない館では、ついで利用が約30%と他の施設に比べて多く、平面構成が居場所の選択に影響しているといえる。また、ある館では勉強の学生層が図書館は少なく共用部に多い、遊びの児童層が共用部で多いなど、属性別で図書館と共用部で行為に差が生じており、機能や空間のつながりよって各属性で居場所を使い分けている状況が整理できた。 大学図書館では、グループで資料やパソコンを使って討議を行うなどの学習ができる「ラーニングコモンズ(LC)」が設けられるなど、「場」としての図書館について関心が高まっている。そこで、LCを改修、新築、別棟で整備した施設を対象にアンケートと行動観察調査を行った。LCでも単独利用は約7割を占め、集中したいグループ作業はグループ室を選択するなど、学習環境として図書館に求められている「場」には6つの段階性があり、たとえ別棟であっても約7割の利用者が複数の「場」を使い分けていることが明らかとなった。 以上のように、公共図書館や大学図書館でつながる他のスペースや他の機能をきちんと認識して、それらの施設サービスを上手に使い分けている利用者が多いことが整理できた。今後は、その施設サービスの段階性と選択行動との関係をさらに構造的に整理していきたい。
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Research Products
(19 results)