2016 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of zeolite nano-film by precise control of crystallization process assisted by microwave rapid heating
Project/Area Number |
26420776
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
樋口 健志 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (40312756)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゼオライト / マイクロ波 / 水熱処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の有機溶媒の脱水に用いられるゼオライト膜は,多孔質支持体に付着させた種結晶を水熱合成によって膜化させる二次成長法によって製造されている。この方法では種結晶層と二次成長層の厚さで膜厚が決まり,その下限は概ね5 μm程度である。一方,近年マイクロ波加熱によりアルミノシリケート等の非晶質体からゼオライトに転換できることが報告されている。これを応用すれば非晶質薄膜を前駆体としてより薄いゼオライト膜が形成できる可能性があり,膜透過性能の向上の手法になりうる。本研究ではその基礎的検討としてマイクロ波加熱によるゼオライト形成過程を透過型・走査型電子顕微鏡,動的光散乱,核磁気共鳴,X線回折,小角X線散乱等により解析した。その結果,次のような形成過程が明らかになった。 1.原料となるAlおよびSiのアルコキシドの加水分解溶液では微量の結晶核が存在しているが,大部分は16 nm程度の枝分かれ構造を持つ鎖状の重合物である。 2.300 Wマイクロ波加熱により,90 min頃までに重合構造が緻密化し,200 min頃からLTA型ゼオライトが生成し始め,400 minまでに200 nm程度の粒子に成長した。 3.加熱12 hまでに結晶性が上昇するとともに重合が完了して低分子量のものが消失した。 4.加熱24 h頃に結晶性が極大となり,その後は溶解・再析出が支配的であると示唆された。 上記のように,マイクロ波加熱による結晶生成過程を理解する上で重要な基礎的知見を得ることができた。
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