2015 Fiscal Year Research-status Report
神経幹細胞に由来するヘテロ細胞集団をパターニングするための弾性足場作製技術の開発
Project/Area Number |
26420799
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森 英樹 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30450894)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正之 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50344172)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | コラーゲン / ハイドロゲル / 血管内皮細胞 / 紫外線照射 / パターニング / 粘弾性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はコラーゲンゲル表面に紫外線架橋を施すことによって神経幹細胞やその分化細胞、血管内皮細胞の接着性や移動を制御することを目的としている。2年目となる今年度は、当初の研究計画通りにコラーゲンゲル表面への紫外線照射によって変化する血管内皮細胞の接着・移動特性に関する解析を主におこなった。プラスチックディッシュ上で培養によって増やしたマウス脳毛細血管内皮細胞株bEnd.3を各コラーゲンゲル上に播種し、遺伝子発現解析に用いた。血管内皮細胞のコラーゲンゲル上への接着・移動の変化に関わるインテグリン遺伝子を特定した。今後、紫外線架橋コラーゲンゲル表面に対する血管内皮細胞の接着形成機構を知るための手掛かりになると考えられる。さらに、紫外線架橋コラーゲンゲル上における神経幹細胞の接着・分化・移動に関する解析もおこなった。しかし、UV照射によってコラーゲンゲル表面で細胞の配置を正確に制御することが難しく、また血管内皮細胞と神経細胞との共培養条件を検討する必要があるなど、引き続き次年度に解決しなければいけない課題も明らかになった。学会では主に前年度に試したコラーゲンゲル表面のUV照射による微細構造および粘弾性変化の解析、および、UV照射コラーゲンゲル上における脳毛細血管内皮細胞の接着性や移動特性の変化に関する報告をし、論文では粘弾性を変化させたコラーゲン以外の高分子ハイドロゲル上における神経幹細胞の挙動に関する研究について報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
紫外線照射コラーゲンゲルへの細胞の接着性や移動等の評価はおおむね研究経過通りであるが、フォトマスクによる細かい照射パターンの作製が難しくやや遅れているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りに神経幹細胞から分化した細胞の移動、接着特性についてひきつづき解析する。また、血管内皮細胞と神経幹細胞を配置するための紫外線照射による粘弾性パターンコラーゲンゲルを作製し、血管内皮細胞、アストロサイト、ニューロンの3種類の細胞パターンの作製を試みる。
|
Causes of Carryover |
細胞の接着移動に関わる解析を優先し、フォトマスク作製に関わる詳細な検討を最終年度まで遅らせたため、残額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2年目に実施できなかった照射装置及びフォトマスクの検討を行うための費用として充当する予定である。
|