2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism by which virus inhibits the function of human anti-virus enzymes and molecular basis of drug discovery
Project/Area Number |
26440026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 崇 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (10415250)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Vif / APOBEC / アプタマー / NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
APOBEC3ファミリータンパク質の中で、APOBEC3F(A3F)とAPOBEC3G(A3G)は、HIV-1に対する防御機構を担っている。これらはそれぞれ一本鎖DNA (ssDNA)上に存在するシトシンをウラシルに変換する脱アミノ化酵素である。HIV-1は自身の持つVifタンパク質を使い、A3FとA3Gをユビキチン・プロテアソーム経路に導き、これらを分解する。Vifを阻害し、A3FとA3Gを働かせることは、治療戦略として近年注目されている。我々はこれまで、A3Gについて機能解析を行ってきた。今年度は当初計画通り、A3Fのキャラクテリゼーションを行い、論文に報告した(Phys Chem Chem Phys, 2018)。A3FはssDNA上のTCを標的とすることが知られていたが、TC前後の配列や、配列の長さの指向性などについては研究が進んでいなかった。A3Fの機能解析が困難だった理由として、A3Fの溶解度が低いことが挙げられる。まず我々は、溶液条件を最適化し、また各種解析には低濃度のA3F (1 μM程度)を使うことで問題を克服した。そして、A3Fのシトシン脱アミノ化反応は、ウラシルDNAグリコシラーゼアッセイ法を、A3FとssDNAの結合は蛍光偏光解消法を用いた。複数の異なる配列をもつssDNAを用いて解析した結果、A3FはTCに隣接する塩基も識別し、TTCA/G配列を好むことが明らかとなった。鎖長については、長いssDNA (>20 nt)を短いものよりも好むことが明らかとなった。さらに、複数の変異体やpHの異なる溶液を使うことにより、脱アミノ化活性及びDNA結合を担うアミノ酸残基を明らかにした。先述のVifはヒトのCBFβ、EloB/EloC、Cul5などと複合体を形成して、A3F及びA3Gを分解に導く。我々はSELEX法を用いてVif複合体に結合するRNAアプタマーの取得を試みてきた。今年度は、当初計画通り、より親和性の高いRNAアプタマーの獲得に成功した
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Research Products
(45 results)