2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of unified theory of cellular inclusion bodies including misfolded protein
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26440090
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北村 朗 北海道大学, 先端生命科学研究院, 助教 (10580152)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / TDP-43 / 封入体 / 拡散 / 分子動態解析 / FRET / FCS / FRAP |
Outline of Annual Research Achievements |
先年度の成果より,筋萎縮性側索硬化症 (ALS)の責任遺伝子産物であるTDP-43タンパク質のカルボキシル末端断片のうち,35 kDaおよび25 kDaの断片 (それぞれTDP35とTDP25)は細胞質封入体を形成することがわかっている.これらの断片中のアミノ酸配列にALS患者から同定されたアミノ酸置換変異が導入されると,細胞質封入体の形成率はどのように変化するのかを調べた.その結果,ALS関連変異を持つTDP35およびTDP25は,野生型の配列と比べて細胞質封入体形成効率は変化しなかった. 次に,核局在化シグナル配列 (NLS)で標識したTDP25が細胞質封入体を形成せず,細胞死の割合も低いという前年度の結果(2016年論文公表済)を踏まえ,NLS-TDP25の凝集状態と,細胞内に集積した区画における分子間配向について,蛍光共鳴エネルギー移動 (FRET)法および蛍光相関分光法 (FCS)を用いて解析した.これらの結果,NLS-TDP25は揃った分子配向性を持ってオリゴマーを形成しており,核質においてこのオリゴマー及び内在性分子と複合体を形成した分子種が拡散状態にあることが明らかとなった. さらに,このような拡散状態を簡便かつ定量的に解析するために,広視野蛍光顕微鏡を用いたFluorescence recovery after photobleaching (FRAP)法により拡散係数を求める手法について確立した.この結果,単量体GFPのように細胞内タンパク質としてもっとも速く拡散する分子種の拡散係数を定量的かつ簡便に求めることが可能な方法を構築した.本手法は,細胞内において速く拡散する分子種と,封入体のように不動性の分子種が観察領域内で混在している場合でも,分子の運動状態を定量的に解析できる可能性がある.
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] FCS and FCCS in living cells2016
Author(s)
Akira Kitamura & Masataka Kinjo
Organizer
Course Functional Fluorescence Microscopy Imaging (fFMI) in Biomedical Research
Place of Presentation
カロリンスカ研究所(ストックホルム・スウェーデン)
Year and Date
2016-11-08
Int'l Joint Research / Invited
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