2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and functional analysis of substrates of disease-associated protein kinases using multiple phosphoproteomic technologies
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26440101
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小迫 英尊 徳島大学, 先端酵素学研究所(オープンイノベ), 教授 (10291171)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / プロテオーム / リン酸化 / キナーゼ / PINK1 / ユビキチン / PKD / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、様々な疾患の発症に関与する複数のタンパク質キナーゼに注目し、研究代表者らが独自に開発してきたリン酸化プロテオーム解析法を発展させることによって、その標的基質を大規模に同定、機能解析することを目標としている。本年度はまず、PKD2/3とPINK1の新規基質を同定するために、IMAC(固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー)と2D-DIGE(蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動)を組み合わせた方法によるスクリーニングを行った。サンプルにはT細胞受容体刺激を行った野生型胸腺細胞とPKD2/3ダブルノックアウト胸腺細胞、および脱共役剤処理を行ったPINK1を安定発現するHeLa細胞を用いた。PKD2/3またはPINK1の活性化に依存したスポットを切り出して酵素消化後に質量分析を行った結果、PKD2/3の基質としてSHP-1、Gads、Nck1を、PINK1の基質としてユビキチンを同定した。そしてSHP-1のリン酸化部位のアラニン変異体をノックインしたマウスの解析により、PKD2/3によるSHP-1のリン酸化がヘルパーT細胞への分化に重要な役割を果たしていることを明らかにした。 研究期間全体を通じて、家族性パーキンソン病の原因遺伝子産物であるPINK1、がん化・増殖・分化など真核生物で多彩な役割を果たすERK1/2、自己免疫疾患に関与し、T細胞の分化を制御するPKD2/3を対象として、上記のIMAC/2D-DIGE法、Phos-tagウェスタンブロット法、高性能質量分析計を用いたリン酸化部位の同定・定量法などを駆使することにより、新たな標的基質を見出し、それぞれのキナーゼによる細胞機能制御における役割を明らかにすることができた。
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Research Products
(4 results)