2014 Fiscal Year Research-status Report
光による概日時計の周期調節の分子機構とその適応的意義の解析
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26440138
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北山 陽子 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20444367)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生物時計 / 日周変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
光合成をおこなうシアノバクテリアは、概日時計(約24時間周期で振動する内在性の計時機構)を持つ唯一の原核生物として知られている。シアノバクテリアでは、概日時計タンパク質である3つのKaiタンパク質によって概日時計が構成されているおり、概日時計からのシグナルを受けて様々な遺伝子が24時間周期のリズムを持って発現するように、制御されている。しかし、昼夜環境において、どのように概日リズムの周期が調節されているのか、その適応的な意義については不明な点が多いため、本研究ではこれらを解明することを目的とする。平成26年度は、解析に用いる細胞培養条件の検討と遺伝子破壊体の作製を主におこなった。また、周期変異体群から解析に適したものを探すため、培養条件を変化させて選別をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、周期調節機構を解析するために必要となるおもな変異体の作製を行ったが、一部の変異体については破壊株を作製できなかった。その原因は生育に必須であること推察されたため、ノックダウンや点変異導入の検討を実施する必要が生じたため。周期変異体については選別をすすめ、細胞培養方法、解析方法の予備実験を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は破壊株の作製できなかった候補遺伝子の変異体について、機能欠損や過剰発現体を作製することで、解析を進めることができるかを検討する。平成26年度に作製および選別した変異株を用いて、周期決定機構についてリズムの解析を行うと同時に、ラジオアイソトープを用いた生化学的な解析も進める。
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Causes of Carryover |
変異体の作製に時間がかかっているため、予定した解析の一部が勧められなかったことと、平成26年度の経費執行において、より効率的に物品購入を行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は主に物品費と旅費として使用予定である。シアノバクテリアおよび大腸菌を培養するための培地、ガラス器具やプラスティック器具などの消耗品、生化学実験、分子生物学実験のための酵素や試薬、ラジオアイソトープを主として購入する。また、研究成果発表および資料収集のための旅費、論文投稿費を使用予定である。
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Research Products
(3 results)