2014 Fiscal Year Research-status Report
食事誘発性熱産生を指標とした光と食事がサーカディアンリズムへ及ぼす影響の把握
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26440262
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
福田 裕美 福岡女子大学, 国際文理学部, 助教 (50551412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 健 福岡女子大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (20326474)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サーカディアンリズム / 食事誘発性熱産生 / 明暗サイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光と食事がサーカディアンリズム(概日リズム)へ与える影響について、食事誘発性熱産生(DIT)を指標に明らかにすることを目的としている。平成26年度は、同一食を朝(8:00)、昼(12:00)、夜(20:00)に摂取した際の、以下の実験環境下におけるDITの変動を把握した。 1) Dim - Dim(一日中Dim) 2) Bright - Dim(日中Bright、夜間Dim) 3) Bright - Bright(日中Bright、夜間Bright) 日中は7:00~18:00とし、夜間は18:00~24:00とした。DimとBrightは、それぞれ50 lx以下、約7000 lxとした。食事の間隔は12時間以上とした。Dim - Dim、Bright - Dim、Bright - Bright環境下でDITの日内変動は異なった。Bright - Dim、Bright - Bright環境下では、Dim - Dim環境下よりもDITの値は高く、Bright - Dimの日内変動が最も大きかった。呼吸商(RQ)においても、Bright - Dim環境下での日内変動が最も大きくなった。日中の高照度暴露、夜間の低照度暴露というBright - Dimの光環境は、ヒトの原始的な生活リズムに最も近く、代謝機能の環境への適応が、Bright - Dim環境下でDITやRQの日内変動を示す結果につながったと考えられる。この結果は、ヒトの代謝機能における光の明暗サイクルの重要性を示しており、健康の維持・増進のための有益な知見になりうると考えている。 自律神経活動とDITの挙動は一致せず、DITの変動には他の要因が影響していることが推察された。今度、自律神経活動以外でDITに影響を与える因子を検討し、考察に加えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光刺激のDITとRQへの影響、および自律神経活動の寄与を検討した。計画では、Dim条件とBright条件の2条件比較をする予定であったが、Bright条件を日中と日中および夜間で分けたため、3条件の実験設定となった。そのため、実験実施回数が1.5倍になり、平成26年度の被験者予定数は10名であったが、8名分のみのデータを得た。DITの変動における性周期の影響については、被験者を増やして検討する必要がある。平成27年度に若干名、被験者を追加する予定である。 研究成果は、国内学会(2件)及び国際学会(2件)にて発表し、高い評価を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
4月~7月は、平成26年度に行った実験条件で被験者を2~3名追加する。実験完了後、結果を分析し、論文投稿に向けてまとめる。 平成27年度前半は、女子大学生における食生活、体格、睡眠状況などについての実態調査を行う。調査結果を踏まえ、DITへの光の影響に寄与しうる要因(学生の朝型・夜型、睡眠時間、体格、食事内容)を検討し、実験デザインを行う。当初の計画では、被験者の朝型・夜型分類によるDITへの影響を明らかにする予定であったが、平成26年度の調査から、対象範囲の女子大学生には明らかな朝型・夜型はほとんど見られなかったことから、DITに影響しうる要因を幅広く再検討し、女子大学生の現状に合わせた実験計画を行う。 後半は、DITへの影響を、光と他の要因を組み合わせた実験条件下で検証する。
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Causes of Carryover |
海外での国際会議の出席を予定していたが、国内で開催された国際会議に参加したため、旅費にかかる支出が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の実験計画で被験者を追加する必要があるので、次年度使用額は追加実験に関わる費用に充てる。平成27年度分の助成金は、平成27年度から着手する研究遂行のための費用とする。
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Research Products
(7 results)