2014 Fiscal Year Research-status Report
マメ科および核果類植物を用いたポティウイルス試験管内実験系の開発と利用
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26450050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
薦田 優香 東京大学, 農学生命科学研究科, 研究員 (90716482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 健二 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (90315606)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 核果類 / 培養細胞 / プロトプラスト / 遺伝子導入 / ポティウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
試験管内実験系は、様々な生命現象を分子レベルで解明するための有効な手段の一つである。本研究では、重要農作物に感染するポティウイルスの増殖を分子レベルで解明するため、核果類樹木やマメ科などの農作物由来の試験管内実験系を構築することを目指している。 本年度は、核果類植物であるサクラ、モモ、ウメの試験管内翻訳系の開発を目指した研究を中心に行った。まず、サクラの葉、モモおよびウメの種子からのカルス誘導の条件検討を行った。ウメについては、現在まだ良好なカルスを得られていないが、サクラとモモは、ナフタレン酸およびベンジルアミノプリンを用いた固形培地でのカルス化に成功した。さらに、細胞を液体培地で継代的に培養することにも成功している。ただし、モモは、生育速度が遅く、増殖が安定しないため、更なる条件検討が必要と思われる。 液体培養細胞ラインとして維持が可能となったサクラとモモについて、プロトプラスト化の条件検討を行った。サクラについては、プロトプラストは単離できるものの効率は悪く、使用する酵素類等についてさらなる条件検討が必要である。一方、モモについては、効率的にプロトプラストを得られる条件を見いだした。また、単離したモモのプロトプラストを用いて、PEG法による遺伝子導入の条件を検討し、蛍光タンパク質マーカー(GFP)を一過的に発現させることが出来た。さらに、ポティウイルスであるウメ輪紋ウイルスの感染、そして他属のウイルスの感染にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
核果類樹木からの培養細胞ラインの確立および効率的なプロトプラスト単離に成功したことで、今後の試験管内実験系構築に向けた条件検討が可能となった。核果類樹木由来のプロトプラストへの遺伝子導入実験も成功していることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
試験管内実験系の確立に向けた条件検討を行う。ウメ輪紋ウイルスのモモプロトプラストへの感染実験系が確立できたことから、今後、モモ培養細胞を中心にして、宿主とウイルスの特異的相互作用解析に取りかかる。また、マメ科を扱う研究については、今後、研究分担者と協力しながら進める。
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Causes of Carryover |
初年度である今年度、核果類樹木由来の培養細胞ラインの構築およびプロトプラスト化効率をあげることを優先させた。平行して行う予定だったマメ科類などのカルス化を次年度に行うことにしたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マメ科などの培養細胞ライン構築、および試験管内実験系確立に向けた研究などの費用に充てることとしたい。
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Research Products
(3 results)